勉強の質ってなに?勉強の質を上げるための方法とは?

本コラムでは勉強の質とはなにかを解説し、その勉強の質を上げるための方法を紹介します。

勉強の量が多くても質が悪ければ成果を出すのは、難しくなります。せっかくやる気があってたくさんの時間勉強を頑張っても成果がでないのはもったいないですよね。

今回の内容は勉強に取り組んではいるけれども思うように結果が出ないとお悩みの方におすすめです。

この機会に勉強の質を上げて、効率よく多くのことを学べるようになりましょう。きっともっと勉強が楽しくなりますよ!

勉強の質とは?

結論から申しますと、「ある科目の勉強を10ページ分進めた」ことや「ある科目を1日ずっと勉強した」などの事実を〝勉強の量〟とするならば、〝勉強の質〟とは「原因や要因を分析し、他とつなげることで効率よく勉強量を増やし、知識を定着させるもの」ということになるでしょう。また同時にこの〝量〟と〝質〟はお互いに作用しあう関係でないといけません。

例を挙げますが、例えば日本史の分野である時代の戦の名前と年号をすべて暗記したとします。この事実は勉強の量にあてはまりますが、勉強の質には当てはまりません。ではこの場合の勉強の質は何なのでしょうか?
それは「戦が起きた原因」「誰がその戦を始めて誰が参加したのか」「結果はどうなって、戦を起こした原因はどう変化したのか」を学ぶことです。

国公立大学を目指すのであれば「この時代の戦の最中に世界では何が起きていたのか」と世界に目を向けることも求められます。このように学ぶことで、自然と量が増えていくのです。そして質で得た知識(勉強の量)は他とつながることで定着し、どんどん学びが増えていきます。先ほど述べた「効率よく勉強の量を増やし、知識を定着させるもの」と「量と質はお互いに作用しあう関係である」という意味がわかっていただけるのではないでしょうか。

つまり、勉強の質とは「知識という勉強の量を効率よく増やす1番の近道」なのです。さらにこの勉強の質はどの科目にも応用が利きます。物事に必ず原因と結果が存在するからこそ、この勉強の質に焦点を当てた方法が可能になるのでしょう。

勉強の質を上げるには

勉強の質を上げる方法① 理屈(なぜ?どうして?どのように?)を理解する

数学の理屈が理解できた中学生

まず、勉強には2種類の作業があります。〝覚えること〟〝理屈(なぜ?どうして?どのように?)を理解すること〟です。よく「この名称は知っているけどいつ誰がどうして建てたのかは知らない」という人がいますが、これは単純に覚えるという作業をしただけで、
知識の定着には至っていません。必ずといっていいほどすぐ忘れるでしょう。

実は勉強の成果が出ない人のほとんどはこの〝理屈を理解する〟という作業を苦手としており、そのような人は逆に単純に覚える作業が得意な場合もあります。
近年、マークシート方式の解答の他にも記述式、論述式の問題が増えています。国公立大学の試験や有名私立の高校、大学のほとんどは最低でも記述や論述を1問は採用しており、配点もかなり高いです。このことから学校側もしっかり理屈を説明できる人を欲しているという願望が見えます。これらの学校に入学したいと考えているのであれば、暗記の作業だけでは合格は難しいでしょうし、勉強の質も上げられません。マークシートも根拠をもって答えられず、曖昧なままマークをするという状態が増えるでしょう。

理屈を理解する努力をし続ければ、事例ひとつひとつの流れがつかめるようになり、そのつながりも徐々に見えてくるはずです。このつながりが徐々に見えてくるという実感がわいた瞬間、あなたは圧倒的に勉強の質をあげることができるでしょう。暗記した知識の定着率も周りとかなり差がつくはずです。

勉強の質を上げる方法② 生活習慣を見直す

十分な睡眠をとる中学生

友人に「夜通しで勉強した」「寝ないで勉強してテストに臨む」という人がいませんか?もしくはその方法でテストに臨んだ経験がありますか?
確かに暗記の作業だけでよければ、徹夜で覚えることはできるでしょう。しかしこのやり方では勉強の質は上がりません。知識の定着などもってのほかです(一夜漬けのデメリットに関しては「一夜漬けはなぜいけない?デメリットを徹底解説!」をご覧ください)。

そこで勉強の質を上げる方法の2つ目として〝自分自身の生活習慣を見直す〟ということが挙げられます。人は食事と睡眠が不足すればするほど、体に何かしらの異常をきたす生き物で、特に体調を崩しやすい最大の原因は睡眠不足とされています。睡眠は1日動いたからだの疲れを癒すためにあるものなのですが、不足すると体の疲れが取れず免疫力が低下し、体調を崩しやすくなるのです。

また睡眠不足は次の日の集中力低下、注意力散漫のもとになると言われています。それは睡眠不足によって脳や自律神経が回復できず、活動力が低下するからです
さらに食事でも同じようなことが言え、朝、昼、晩と決まった時間に摂取しないと集中力が維持できず、疲労も溜まりやすくなってしまいます。
先ほど述べた「理屈(なぜ?どうして?どのように?)を理解する」という方法を実行するにはそれなりの集中力と注意力の維持が必要なのですが、睡眠や食事の機会が不足していると、質を上げる方法を試すことさえ難しくなるのです。これでは宝の持ち腐れになってしまいます。
勉強の質を上げたいのなら生活習慣を見直し、生活の質にも目を向けてみましょう。

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勉強の質を上げる方法③ 復習はその日のうちに行う

効果的な学習を実践する上で、復習は極めて重要です。その日に学んだ内容をすぐに復習することで、情報を記憶に定着させることができます
エビングハウスの忘却曲線によれば、学習後すぐに復習を行うことで、情報の記憶が最も効果的に定着することが示されています。

エビングハウスの忘却曲線とはドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによって提唱された概念で、学習後に情報がどのように忘れられるかを示す曲線です。この曲線は、学習後の記憶の減衰を時間の経過とともに表したもので、学習後すぐに情報を覚えても、その後急速に忘れられる傾向があります。最初の数分から数時間で、記憶の一部が急速に失われます。
その後の忘却は緩やかなペースで進行しますが情報を再度思い出すことは難しくなります。
この忘却曲線に基づいて学習を計画し、情報を定期的に復習することで、記憶の持続性を高めることが可能です。また、エビングハウスの忘却曲線は、学習効果を最大化するための効果的な学習法や記憶の特性を理解する上で重要なモデルでもあります。

例えば、復習を一日後にしたとすると、それまでに学んだことの66%は失われている状態になります。そのため、復習をその日のうちに行うことで、記憶の定着度が高まり、次の学習ステップにスムーズに移行することができます。復習は単なる暗記ではなく、理解を深めるための重要なプロセスでもあります。そのため、学習した内容をすぐに振り返り、復習を習慣化することが質の高い学習を実現する秘訣です。

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勉強の質を上げる方法④ 基礎学力を身につける

学習の基盤となる基礎学力を身につけることは、より高度な知識やスキルを習得するための重要なステップです。

基礎学力とは、言語力、計算力、読解力などの基本的な能力を指します。これらの基礎学力がしっかりと身についていると、新しい知識やスキルをより深く理解し、応用することができます。そのため、勉強を始める前に基礎学力を充実させることが重要です。
基礎学力を身につけるためには、定期的な基本的な学習や演習を行うことが不可欠です。

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勉強の質を上げる方法⑤ 勉強する環境を整える

勉強する環境は学習の質に直接影響を与える重要な要素です。静かで集中しやすい環境を整えることで、効率的な学習が可能になります。また、学習に適した机や椅子、良好な照明など、快適な学習環境を整えることも重要です。さらに、学習に集中するためには、外部からの邪魔を最小限にすることも大切です。スマートフォンやSNSなどの誘惑から離れ、学習に集中できるように工夫することが質の高い勉強環境を整えるポイントです。

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勉強の質を上げるためには総合的な見直しが不可欠!

勉強の方法は人それぞれです。自分にあった勉強方法が確立している人はそれで進めていく方が良いでしょう。ただ、まだ自分にあった勉強方法が見つかっていない人や、もっと勉強の質をあげたいと考えている人はぜひこの方法を試してみてください。
あなたの勉強がより楽しくなることを願っています。