勉強を効率よく進めるためには集中力が必要です。しかし、実際に勉強をやっている最中に一生懸命集中しようと思っても頭がボーっとしてしまったり、眠気やイライラにおそわれてしまうことがありますよね。
 
ここでは、そんな悩みを食べ物という視点から対策する方法を紹介していきます。
自分が普段食べている食べ物について、集中力アップという視点から一度整理して、明日からのさらなる集中力アップを目指してみませんか?
  

集中を高める食べ物とは?

 
集中力を高めるためには、まず何よりもブドウ糖が必要です。
人間の脳はブドウ糖からしかエネルギーを生み出すことができません。脂肪やタンパク質もエネルギーにできる他の体の部分とは違います。集中してやりたいときに脳がエネルギー切れになり頭がボーっとするという状態を避けるためには、ブドウ糖を食べ物や飲み物から積極的に摂る必要があります。
 
しかし、ブドウ糖はただやみくもに摂ればいいというものではありません。ブドウ糖はごはんやパン、麺といった炭水化物が多く含まれる食品から分解されて生み出されるものですが、その炭水化物を食べるにあたっては、集中力を持続させる上で特に注意しなければならないことがあるのです。
 
まず注意するべきは血糖値です。血糖値とはその名の通り、血液の中に含まれる糖の量を表す数値です。炭水化物を多く含む食べ物を食べるとそれが分解されてブドウ糖が作られます。ブドウ糖は血液に混ざって全身に運ばれエネルギーとなるのですが、その血液中に流れたブドウ糖は実は眠気やイライラの引き金の元にもなってしまうのです。
 
もう少し詳しく説明すると、まず血糖値が上昇すると、それに反応してアドレナリンというホルモンが脳に作られます。アドレナリンは興奮作用をもたらすホルモンですから、当然やる気や集中力を生み出してくれます。
 
しかし、血糖値は一旦上昇してもその後また下降して平常値に戻ります。
血糖値が下がると、今度は脳内にノルアドレナリンというホルモンがつくられます。これは落ち着きを司るホルモンで、分泌量が多くなると眠気や不安といった気分が現れます。集中しようとしている時に眠気が出てしまうのは避けたいものです。
 
集中力を高めるという視点から食べ物を考える場合には、ブドウ糖の摂取と血糖値の管理という2つのことに気をつける必要があるのです。
 

朝昼夜の食事ではGI値を意識して炭水化物を摂ろう!

 
ここからは、集中力を高める食べ物とその食べ方について具体的に紹介していきます。
 
まず朝昼夜の三食の食べ方ですが、勉強中の集中力を高めたいのであればこのタイミングで炭水化物=ブドウ糖をしっかりと摂ることが必要です。もちろんただ炭水化物を多く含む食べ物を大食いするのではなく、炭水化物のGI値という基準を意識しながら炭水化物を選んでください。
 
GI値とは、糖が分解され体に吸収されるまでのスピード(速さ)を表したものです。GI値が高い食品を食べると急激に血糖値が上がります。そしてその後の血糖値の低下もまた急なものになってしまいます。
 
一方、GI値の低い食べ物を意識して選ぶことで、1日の中で起きる血糖値の上がり下がりを緩やかなものにすることができます。血糖値が一定に保たれることにより、勉強中の集中力はしっかりと維持されます。
 
代表的な低GI値の炭水化物としては、玄米や全粒粉パンにうどんやそばなどがあります。パスタは普通のパスタでも十分低GI値な食品ですが、全粒粉パスタを選ぶことで更にGI値は低くなります。
 
加えて、炭水化物は油と一緒に調理することで消化が遅くなるので、さらに血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
 
最近の健康志向に合わせさまざまな低GI値食品が売られていますので、是非食べ物を選ぶときは、注意して探してみてください。血糖値の安定が得られると、血管の保護や過度の食欲の抑制など健康面でも良い効果が得られます。
 
もう一つ、大切な栄養素があります。朝昼晩の三食では、炭水化物以外にもタンパク質やビタミンなどさまざまな栄養を摂りますよね。その中で意識して摂るようにしてほしいものにDHAとEPAという栄養素があります。
 
これらは主に青魚(イワシやサバなど)から摂れる必須脂肪酸です。集中力を高める効果があるほか、記憶力や判断力を高める効果もあります。ぜひ三食の中で、これらの栄養素も積極的に摂り入れるようような食事を心がけてみてください。
 

勉強中はブドウ糖と血糖値の低下防止で集中力を保とう!

 
次に勉強している間の食事(おやつ)ですが、血糖値の安定を乱さないおやつや飲み物を選ぶことをお勧めします。
 
勉強している間は、脳は思考に集中にと常にフル回転状態です。エネルギーとしてブドウ糖が次々に使われている状況です。
 
このような状態でおやつを食べることにより、ブドウ糖を摂取するとどのようなことが起こるのでしょうか。ブドウ糖の摂取は血糖値を上げ下げすることにつながり、やがて眠気やイライラを引き起こし、集中力を維持したいのに逆効果になりかねません。
そうならないように、おやつを食べなければなりませんね。

勉強中におやつを食べる場合は、先程紹介したGI値に気を配った炭水化物、もしくはチーズやナッツなどのタンパク質の多い食品を食べるようにすると効果的です。
勉強の合間にケーキやチョコなどを食べるのは、集中力を必要とする人間には逆効果となります。どちらも高GI値の象徴のようなメニューですから、眠気やイライラを誘発してしまい集中が途切れてしまうのです。
 
集中力を高めるおやつとしては、カフェインの摂取も効果的です。カフェインとして真っ先に思いうかぶのはコーヒーですが、さきほどGI値の関係で避けたいと言ったチョコも、カカオ分が多い苦めのチョコであればカフェイン摂取の手段としてお勧めできます。チョコのGI値を高めているのは、チョコに含まれている砂糖です。
 
ただしカフェインは夕方以降に飲むと夜中に寝つきが悪くなる場合がありますので、飲む時間帯には十分に気をつけましょう。また、当然ですがコーヒーにはお砂糖を入れないで飲みましょう。
コーヒーのほかに飲み物では、ハーブを使ったお茶も有効です。集中力を高めるものやストレスを和らげるものなど、色々なハーブティーがあるので試してみると良いでしょう。ハーブティーはカフェインレスなので夜にも飲めるという点がメリットです。
  

集中力を高める食べ物や飲み物のまとめ

集中力を高めるためには、ブドウ糖の補給と血糖値の管理という2つの視点で食べ物を摂取することが大切です。
脳がしっかり働くために、低GI値を意識しながらブドウ糖を補給することです。
必要な栄養で満たされた脳は常に集中力を発揮してくれます。ブドウ糖の補給と血糖値の管理をすることで、集中力低下を感じている皆さんの悩みを解決してくれるでしょう。