「リビングと部屋、どっちで勉強させた方がいい?」お母さんたちからこれもよく聞く声です。
リビングで勉強することをリビング学習といいます。
リビング学習が脚光を浴びたのは「東大に行く子はリビングで勉強していた」というニュースが十数年前に流れたことがきっかけではないかと思います。
今回はこのリビング学習についてみていきたいと思います。
リビング学習に効果はある?気になる子供の勉強場所
小学生のお子さんを持つ300人を対象にしたある調査によると、子供の勉強場所として全体の8割近くの人がリビング・ダイニングと答えました。
子供の勉強場所、以前であれば「勉強は勉強部屋で」というのが当たり前でもありました。
リビング学習の是非については結論から言えば、子供の年齢によるのではないかと思います。
まだお子さんが小学生であれば、リビング学習の効果は高いのではないでしょうか。
リビング学習のメリット
リビングダイニングでは、家族の声や物音が聞こえるため、小学生の子供にとっては安心感が生まれ、集中力が高まるといわれています。
というのは人間は音がない状態のほうが不自然で不安になり、そのため音がないほど集中ができなくなるそうです。逆にある程度の雑音(この場合は生活音になるかと思います。)があったほうが集中しようという気持ちになりやすいそうです。
また、子供にとってはわからない問題をすぐに家族に尋ねることができるのもメリットだと言えるでしょう。
兄弟のいる家庭であれば、上の兄弟にわからないことをすぐに尋ねることができたり、逆に上のお子さんが受験生だったりした場合には下のお子さんもいち早く受験の空気に触れたりと刺激を受けることができるでしょう。
親にとっても子供の勉強の様子を間近で見ることができ、苦手科目やつまづいてるところをすぐに理解できるのはリビング学習のメリットでもあります。また、子供をすぐに励ますことができるため、子供の勉強に対するモチベーションを保ちやすいということもメリットの一つでしょう。
家族が同じ空間にいる中で勉強するというのは子供部屋で勉強するよりも様々な刺激に触れることができ、知的好奇心を満たしやすい一面もあると思います。
親御さんにとってのリビング学習のメリット
親御さんにとってのリビング学習のメリットとしては子供部屋を使わないので「光熱費が減った!」という意見も。
リビング学習のデメリット
逆に小学校高学年や中学生など、反抗期の始まった子供にとってはリビング学習よりも個別の部屋でのほうがいいかもしれません。
前述の刺激という意味では、それがべんきょうにまつわるものであればいいのですが、勉強と関係のないTV番組に気を取られてしまうなどの余計な刺激を受けてしまう場合もあります。
このようにリビングで勉強していてもいまいち集中できていないようであれば、自室での勉強を促す必要もあるでしょう。
また、小学生の間はリビング学習でもいいとは思うのですがリビング学習「だけ」しか勉強の空間がないとなると、困る場面もあるかもしれません。
というのは小学生の間だけでも学校から持ち帰るプリント類や宿題につかう教科書の量は多くあります。それらを欲しい時に取り出せる環境は子供部屋などの勉強部屋の方が適しているかもしれません。また文房具類も増えるでしょう。
あくまでリビング学習というのは勉強場所の一つと考えた方がいいかもしれません。
親御さんにとってのリビング学習のメリット
親御さんにとってのリビング学習のメリットとしては「散らかりやすい」という意見もありました。
やはりプリント類などをどう整理していくのかはリビング学習の課題の一つかもしれません。
今は各家具メーカーなどらリビング学習に特化した学習机なども発売されています。
効果的なリビング学習のポイント
ではリビング学習で親御さんの側が気を付けるべきポイントは何があるのでしょうか。
リビング学習ではできるだけ子供に対して否定語を使わないように接するというのが一つのポイントかと思います。
距離が近い分だけ、ついつい口をはさんだり、注意したくなってしまうもの。しかしその結果として子供のやる気を削いでしまう結果にもなりかねません。
その一例として東洋経済オンラインよりリビング学習がうまくいかなかった伊藤さんという方の例を引用してご紹介させていただきます。
ひと言で言うと、伊藤さんの言葉は否定語が多いということです。たとえば、「そんな字じゃダメでしょ。もっとしっかり書かなきゃダメ」「それじゃあ、6だかゼロだかわからないでしょ。そういうのが計算ミスにつながるんだよ」「ほらほら、集中しなきゃダメでしょ」「それ違うでしょ。もっとよく問題読まなきゃ」などです。日曜日に近くで聞いていた夫は、うんざりしたそうです。伊藤さんは、言われてみると確かにそうだと気がつきました。「日頃から自分は否定語が多いけど、子どもの勉強を見ているときはさらに増えるようだ。というか、そういうことしか言っていなかった」と気がついたのです。
それから、子どもにかける言葉を変えました。否定語は極力やめて肯定語を増やすようにしたのです。たとえば、「しなきゃダメ」ではなく「するといいよ」というニュアンスで言うようにしました。つまり、「今やらなきゃダメだよ」ではなく、「今のうちにやっておくと夕飯後は遊べるよ」などの言い方です。そして、「がんばらなきゃダメだよ」ではなく「がんばってるね」や「がんばったね」を増やすようにしました。
出典: 東洋経済オンライン
確かにお母さんから褒められると、勉強にもやる気が出ますよね。
また、その他のポイントとしては
・勉強する姿勢(体の方)
・勉強時間を区切る
なども挙げられます。
リビングの机は勉強用ではないことが多いので、リビング学習の際にはお子様の姿勢が悪くなっていないか、目がノートなどに近づきすぎていないかなどを見てあげるようにしてください。
また、リビング学習は普段の生活と空間的な垣根がないので、ダラダラさせるのではなく、しっかり時間や目標を決めて、その時間は勉強に集中できるように手助けしてあげることもポイントのひとつかと思います。
繰り返しになりますが、リビング学習と自室での勉強はどちらかを強制させるものではないということは覚えておいてください。
お子様に適した学習環境は千差万別。できるだけ、勉強のモチベーションを保ちやすい環境でお勉強させてあげてください。