「子供がゲームばかりして・・・」
保護者の方からこんな声をよく聞きます。実際に時間を忘れて勉強に没頭してしまう子供も少なくないようですが、ゲームを一概に「悪」と断じてしまうのは少々短絡的と言えるかもしれません。
というのはゲームの要素を勉強にも応用する「ゲーミフィケーション」という考え方が昨今注目を集めているからです。
まずはゲーミフィケーションの説明の前になぜ子供はゲームに熱中するのかから見ていきましょう。
なぜ子供はゲームに熱中するのか
ゴールがあり、それに向かって努力するという意味ではゲームの設定も勉強のそう大きな違いはないように思えます。
「ゲームに使うエネルギーを勉強に向ければいいのに・・・」
そう思う保護者も少なくないと思いますが、実は勉強とゲームには大きな違いがあるのです。
勉強とゲームの違い
目標は明確だがその理由はあいまい
ゲームにおいても勉強においても目標は明確です。ゲームであれば敵を倒す、一位になる、だれかを救出するなどです。そのどれもがヒーローになったかのような満足感と達成感を感じさせる魅力的な目標になっています。
一方、勉強であれば、点数を上げることが上げられますが、それが具体的に自分にとってどんな魅力あるメリットになるのかがイメージできないため、勉強するという行為に意味を感じにくいのです。
失敗=恥というルール
例えば勉強においては授業中に当てられて答えを間違えて恥をかいたなどの経験は誰もあると思います。
しかし、ゲームでは失敗することは恥ではありません。むしろ大多数の人が最初は失敗するように作られています。
ゲームでは失敗は「次こそクリアしてやろう」という強力なモチベーションを生むきっかけにもなります。
それは前述の目標の持つ魅力的な意味に加えて、失敗を責め立てられることがないからです。なので失敗を恐れず、何度でも挑戦しようという気にさせるのです。
ゲーミフィケーションで勉強にもゲーム要素を取り入れよう
明確に目標の意味を設定する
まず、なぜ勉強するのかの意味を明確にします。ゲームはその目的が明確だからこそ熱狂できるのです。「勉強しろと言われたから勉強する」では勉強の目的がわからず、勉強時間がただの苦痛な時間になってしまいます。勉強することが魅力的な意味を持つようにしなければなりません。
将来的には「やりたいことを実現するため」「お金持ちになるため」なども考えられるでしょう。勉強することが将来にどうつながるのか、逆に勉強しないとどうなるのかを明確にイメージさせることが大切です。
短期的には目標(テストの点数アップや学年での順位など)の達成に対してご褒美という形での目的を設定してもいいかもしれません。
ただこの記事(「テストの高得点に対してご褒美ってアリ?ナシ?」)でも述べているようにモノを与えられないと何もしない人になってしまうことは避けておきたいものですね。
失敗を責めない
テストの点数が悪かった、ミスをした・・・しかし、そのこと自体を責めないようにすることが大切です。
テストもしょせんはテスト。どこが理解できて、どこが理解できていないかを明確にするためのものです。もちろん点数がいいに越したことはないのですが、本番はあくまで試験だということを頭に入れておきましょう。
逆にテストの結果に対して復習をしていなかったり、何も行動をとっていない場合には注意してもいいかと思います。
ゲームへの熱意は勉強にも活きる
ゲームによって挑戦精神や集中力を養うことができますし、何度も何度もあきらめない忍耐力なども身につくかもしれません。もちろん過度の熱中は依存症とも言えますので注意が必要ですが、ゲームによって培った力を勉強に活用することも上手く勉強に取り組むためのコツの一つではないでしょうか。
ゲーミフィケーションで勉強も楽しく取り組んでいきましょう!