皆さんは例えば数学の問題でつまづいたときに解説を読んでわかった気になったけれども、実際に同じ問題をもう一度解こうとしたらやはり解けなかった・・・こういう経験はないでしょうか?
このわかったつもりになった、という状態は心理学でいえば「流暢性の罠」と呼ばれるもの。簡単に言えば本人は覚えたと思っていても、脳は覚えていなかったという状態です。
だから実際に問題と問く時には忘れてしまっている、ということが起こります。
これは数学だけではなく、他にもテキストの重要語句にアンダーラインを引いて覚えた気になってしまう、ということも当てはまります。
では、本当に自分が学習内容を覚えたかどうか、確実に確認する方法はないのでしょうか。
あります。それが今回紹介するティーチングテクニックと呼ばれるものです。
ティーチングテクニックとは
ティーチングテクニックとは、先生になったつもりで誰かに自分が学んだことを教えてみるというもの。
「その物事を人に教えることができて初めてその物事を習得できたといえる」と言われます。
教える時に途中でつまってしまったり、言っていることが支離滅裂になってしまわないでしょうか。
自分では理解できているつもりでも、だれかにそれを教えようとすると、意外とそんな事態に陥ってしまうことも多いのです。
この場合の生徒役はできれば保護者の方や友人、兄弟など教えた内容がきちんと伝わっているか判断してくれる人がベストなのですが、どれも厳しいようだったらペットの犬やぬいぐるみでもOKです。
ラーニングピラミッドとは
行動とどれくらい知識が定着したかをピラミッド状に示した図を「ラーニングピラミッド」と言います。
上記のラーニングピラミッドを見てもらえるとわかる通り、受け身の行動になればなるほど、学習定着率は低くなるのがわかってもらえるかと思います。
そして最下段の「教える(ティーチング)」という行動ができた場合の学習定着率の高さは90%と非常に高い数値になっています。
このことからもティーチングテクニックは自分が学習内容を覚えたかどうか、確実に確認する方法だと言えるでしょう。
これからは受験生にとっては入試本番の時期ですし、1.2年生にとっては一年の中で最も大事な学年末テストが控えています。
本番では絶対に失敗できません。
覚えたはずなのに本番で出てこない・・・そんなことの内容に、ぜひ「ティーチングテクニック」を家庭学習の中でも活用してみてください。