こんにちは、中学3年生の皆さん!今回は公民の重要なテーマである「国会」について、分かりやすく解説していきます。テレビや新聞でよく目にする「国会」ですが、実際にどんな役割を持ち、どのように機能しているのか、すぐに答えられる人はいますか?
今はよくわからなくても大丈夫。今からしっかり学んでいきましょう。
国会とは?
国会は、日本の政治において最も重要な機関の一つです。憲法では「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」(第41条)と定められています。つまり、国会は日本で最も偉い機関であり、法律を作る唯一の場所なのです。
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国会の主な役割
国会には大きく分けて3つの重要な役割があります。
- 立法:法律を作ること
- 予算の議決:国のお金の使い方を決めること
- 行政の監視:内閣や役所の仕事ぶりをチェックすること
それでは、これらの役割について詳しく見ていきましょう。
1. 立法
立法とは、法律を作ることです。私たちの生活に関わるルールのほとんどは、国会で作られた法律に基づいています。例えば、「何歳から選挙に参加できるか」「学校の授業で何を学ぶか」なども、全て法律で決められているのです。
法律を作る過程を「法律案の審議」といいます。法律案は、国会議員や内閣が提出できます。提出された法律案は、委員会という小さなグループで詳しく話し合われ、その後、本会議で全員で話し合って決めます。
2. 予算の議決
国の1年間のお金の使い方を決めるのも国会の大切な仕事です。内閣が作った予算案を国会で審議し、承認することを「予算の議決」といいます。
例えば、教育にいくらお金を使うか、道路を作るためにいくら使うかなど、国のお金の使い方を細かく決めていきます。これは、税金を納めている国民の代表である国会議員が、お金の使い方をしっかりチェックするためです。
3. 行政の監視
国会は、内閣や役所が正しく仕事をしているかをチェックする役割も持っています。これを「行政監視」といいます。
例えば、国会議員が内閣総理大臣や国務大臣に質問をしたり(これを「質問権」といいます)、必要に応じて特別な調査会を作って調べたりします。
もし内閣の仕事ぶりに問題があると判断した場合、国会は「内閣不信任決議」という特別な決議を出すこともできます。これが可決されると、内閣は総辞職するか衆議院を解散しなければなりません。
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国会の構成
日本の国会は「衆議院」と「参議院」の2つの院からなる「二院制」を採用しています。それぞれの違いも重要なので覚えておきましょう。
衆議院(しゅうぎいん)
- 定員:465人
- 任期:4年(ただし、解散されれば任期途中でも選挙が行われます)
- 選挙権:18歳以上の日本国民
- 被選挙権:25歳以上の日本国民
参議院(さんぎいん)
- 定員:248人
- 任期:6年(3年ごとに半数を改選)
- 選挙権:18歳以上の日本国民
- 被選挙権:30歳以上の日本国民
二院制を採用している理由は、それぞれの院で十分に審議することで、より慎重に物事を決められるからです。
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衆議院の優越
衆議院と参議院は基本的に対等ですが、いくつかの点で衆議院の方が強い権限を持っています。これを「衆議院の優越」といいます。
- 法律の再議決:衆議院で可決した法律案を参議院が否決しても、衆議院で3分の2以上の賛成があれば法律として成立させることができます。
- 予算の先議権:予算は必ず衆議院から審議を始めます。
- 内閣総理大臣の指名:両院で意見が分かれた場合、衆議院の決定が優先されます。
- 条約の承認:条約の承認でも、法律の場合と同様に衆議院の決定が優先されます。
衆議院にこのような強い権限が与えられているのは、衆議院の方が選挙の機会が多く、より直接的に国民の意思を反映していると考えられるからです。
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国会の種類
国会には、開かれる時期や目的によって異なる種類があります。主な種類は以下の3つです。
常会(じょうかい)
- 毎年1回、1月に召集される定例の国会です。
- 会期は150日間ですが、延長されることもあります。
- 主に、その年の予算を決めたり、新しい法律を作ったりします。
臨時会(りんじかい)
- 必要に応じて開かれる国会です。
- 内閣が必要だと判断したときや、議員の4分の1以上から要求があったときに開かれます。
- 緊急の課題や、常会で審議しきれなかった問題を話し合います。
特別会(とくべつかい)
- 特別な事情がある場合に開かれる国会です。例えば、総選挙の後に新しい内閣総理大臣を選ぶときなどに開かれます。
これらの国会をうまく使い分けることで、国の重要な問題を適切なタイミングで話し合うことができるのです。
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法律ができるまで
法律ができるまでの過程を「立法過程」といいます。法律ができるまでの基本的な流れは次のとおりです。
1. 法律案の提出
- 法律案は、国会議員か内閣が提出できます。
- 国会議員が提出する場合、衆議院では20人以上、参議院では10人以上の賛成が必要です。
2. 委員会での審議
- 提出された法律案は、まず関連する委員会に送られます。
- 委員会では、提案者に説明を求めたり、専門家の意見を聞いたりしながら詳しく審議します。
3. 本会議での審議と採決
- 委員会での審議が終わると、本会議で再び審議します。
- 最後に採決を行い、過半数の賛成があれば可決されます。
4. もう一方の議院への送付
一方の議院(例えば衆議院)で可決された法律案は、もう一方の議院(この場合は参議院)に送られ、同じように審議されます。
5. 法律の成立と公布
- 両議院で可決されると法律が成立します。
- 成立した法律は、内閣の助言と承認を経て天皇が公布します。
このように、法律ができるまでには何段階もの過程があり、慎重に審議されるのです。
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立法以外の国会の仕事
国会の主な仕事は法律を作ることですが、それ以外にも重要な仕事がたくさんあります。
条約の承認
外国と結ぶ重要な約束(条約)を承認します。例えば、平和条約や貿易に関する条約などがあります。
内閣総理大臣の指名
国会議員の中から、内閣総理大臣を選びます。これは、国民の代表である国会議員が、行政のトップを選ぶという重要な役割です。
決算の審査
1年間の国のお金の使い方が適切だったかをチェックします。これは、税金が正しく使われたかを確認する大切な仕事です。
憲法改正の発議
憲法を変えるかどうかを提案する権限を持っています。ただし、実際に憲法を変えるには、国民投票で過半数の賛成が必要です。
国政調査権の行使
国の政治に関することを調査する権限です。必要があれば、関係者を国会に呼んで話を聞いたり、資料を提出させたりできます。
これらの仕事を通じて、国会は国の政治が正しく行われるようチェックし、必要な決定を行っているのです。
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国会と私たちの生活
国会は私たちの生活に深く関わっています。国会で決められた法律や予算は、私たちの日常生活に大きな影響を与えます。例えば、最近では選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、これも国会で法律を改正したからこそ実現したのです。
皆さんも18歳になったら選挙で投票する権利を持ちます。その時、どの候補者や政党を選ぶかを決めるためにも、国会のことをよく知っておくことは大切だと思いませんか?
まとめ
国会は、法律を作り、予算を決め、行政をチェックする重要な役割を持っています。衆議院と参議院の二院制を採用し、慎重に物事を決定する仕組みになっています。
今はまだ難しく感じるかもしれませんが、少しずつ理解を深めていけば、きっと社会の仕組みがよく分かるようになりますよ。これからもニュースや新聞で「国会」という言葉を見かけたら、今日学んだことを思い出してみてください。
また今回新しく学んだ国会の種類、法律ができるまでの過程、そして立法以外の国会の仕事についても覚えておきましょう。これらの知識はテストや受験ではもちろんですが、それ以上に私たちの今後の暮らしを考えるうえで大切になるものです。ニュースや新聞で国会の活動を見聞きしたときにどのようなことが国会で行われているのか、イメージしてみて下さい。
公民という科目の中だけにとどまらず、国会は私たちの生活に大きな影響を与える重要な機関です。これからも国会の活動に注目し、自分たちの未来にどのような影響があるのか、考えていく習慣をつけていきましょう。