さっそくですが、きちんと日々学んだことの復習は行えていますか?
復習は重要です。繰り返し学び直すことで内容を定着させ、忘れないようにできます。しかし、忘れないようにするという意味以外にも、実は復習には、「①チェックをする」「②やり抜く力を身につける」「③思いやりを持てるようになる」といった教育的効果があるのです。今回はそんな「復習の意外な効果」を解説!
ついつい面倒で復習を後回しにしてしまっている人、忙しくて復習までには手が回らないという人にオススメのコラムです!
復習の意味(メリット)とは?
復習の意味 1. 記憶の定着
学んだ情報を繰り返し復習することで、その情報が長期記憶に定着しやすくなります。記憶は繰り返しを通じて強化され、時間が経っても忘れにくくなります。特にスパンが広がると、情報が脳によりしっかりと根付きます。
復習の意味 2. 理解の深化
復習は単なる情報の暗記ではなく、理解の深化を促します。同じ内容を何度も見直すことで、新しい視点や関連性を発見し、知識の全体像をより良く理解できます。また、関連するトピックや概念との結びつきを強化し、知識の統合を促進します。
復習の意味 3. 応用力の向上
復習は学んだ内容を現実の問題に応用する能力を高めます。繰り返し学習することで、情報やスキルをより深く理解し、柔軟に応用できるようになります。これにより、新しい状況や問題に対処する際により効果的に知識を活用することができます。
このように復習は学習効果を高め、知識の継続的な活用を支援する重要なプロセスになるのです。
復習の効果
他にも学習の復習には以下のような効果があります。
復習の効果 1. 分かったつもりチェック
ドイツの心理学者エビングハウスの実験では、1日経つと覚えたことの3分の2程度は忘れていたという結果が出ています。そのため、適切に復習をしなければその日学習したことのほとんどが記憶から抜け落ちてしまうのです。学習の効果を確かなものにするためにも、復習は必ず必要になってくるのです。
復習には忘れないようにするということの外に、聞き間違っていないか、勘違いしていないか、分かったつもりになっていないかということをチェックするという重要な役割があります。大人のみなさんも、どこかで講演などを聞いたとき、聞いているときは分かるのだけど、帰ってくると分からなくなっているということがありませんか?これが分かったつもりになっているということです。学校で授業をしっかり聞いて覚えたつもりでも、正しく理解していないと、無駄になってしまいます。
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復習の効果 2. やり抜く力が身につく
復習が重要なことは分かっていても、勉強って大変ですよね。お子さんに「勉強しなさい」というだけでは、お子さんはなかなか机に向かってくれないものです。
「勉強が楽しくない」と感じていたり、実際に口に出しているお子さんは多いのではないでしょうか。勉強が楽しくない理由、そのひとつは勉強したことが役に立つのかどうか分からないからです。役に立つと分かれば一変、子どもは進んで勉強します。
勉強をすると、分からなかったところが分かるようになり、成績が上がります。そこで初めて、勉強したことが「役に立った!」と思えるのです。それは、「自分はできる」という気持ちを生み、もっと勉強してみようという気持ちへとつながります。この気持ちは、決められたことをきちんとこなしていくという、社会人にとって必要な「勤勉性」へとつながっていきます。
「勉強って大変だけど、役に立つことを知ることができるし、続けられる。」これは、最近注目を浴びている「レジリエンス」という「やり抜く力」ともつながっていきます。このレジリエンスは、素晴らしい成果を上げている人たちが持っているといわれている性質なのです。
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復習の効果 2. 思いやりが身につく
先述した「レジリエンス」ですが、ちょっと続けたくらいでは身につきません。最低でも2年間続けるということが重要です。
では、もともと勉強の習慣のない子どもに、どうやって勉強をさせればよいのか。そのことについてもお伝えしたいと思います。まずは、ちょっとでも勉強すれば、必ず成果があがるということを経験させましょう。“ちょっと”なので、成果が見えにくいかもしれませんが、きちんと上がっています。親御さんにとっては物足りないでしょうが、ちょっとでも勉強したら褒めてあげてください。子どもは親に褒めてほしいものです。褒めてもらうだけで、「役に立った」という気持ちになるのです。
「褒めてほしいから勉強する」ということだけでもいいのですが、人は自分のためよりも、誰かのためになることの方に対して、力が出るものです。
このことは、子どもとの付き合い方にも応用できるのではないでしょうか。褒めてあげるのも良いですが、例えば「○○ちゃんが勉強していて、お母さん嬉しいわ」といったことを言ってみてはいかがでしょう。お母さんを喜ばせるために子どもは頑張ります。そうしているうちに、自然と勉強するようになって、楽しくもなり、続けられるということです。さらに、人を喜ばせたいという「思いやり」も身についてきます。
ただ、お母さんは身内なので、甘えが出ることがあります。そんなときは、塾や家庭教師をお勧めします。塾の先生や家庭教師は、他人ですから甘えられません。一生懸命自分のために教えてくれているわけですから、子どもはそれに応えようとします。そうやって、先生のために勉強をする、勉強が分かる、勉強が楽しい、成績が上がる、先生が喜んでくれる、嬉しい、もっと勉強する……という好循環を生み、ここでも「先生を喜ばせたい」という「思いやり」が身につくのです。
お子さんを上手に導くことができるなら、親御さんがリードしてあげれば良いのですが、自分の子どもとなると感情が入り込んでしまって、なかなか自分をコントロールできませんよね。そんなときは、思い切ってプロに任せて、思いやりのある子に育てましょう。
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復習の効果まとめ
復習は忘れないようにするだけではないのです。たとえ塾や家庭教師に任せるにしても、お子さんが、「この人のために勉強しよう」と思えることが重要です。信頼できる家族や、家庭教師、塾の先生などに出会って、お子さんが勉強好きになると良いですね!