勉強時間が取れない!忙しい人へ教える学習時間の確保のコツ

受験や学校のテストで成果を出すためには、自宅での勉強が必要不可欠です。しかし、毎日の学校や部活動が忙しく、なかなか家での勉強時間を確保できないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に部活やクラブ活動に参加している生徒にとって、長時間の練習や試合後に勉強時間を設けるのは難しい課題です。その結果、勉強が疎かになり、成績が伸び悩むことも少なくありません。

そこで、本記事では、忙しいスケジュールの中でも効率よく勉強時間を確保するための具体的なヒントをご紹介!
スキマ時間を有効に活用し、短時間でも集中して学習する方法をお伝えします。学生の方の忙しい日常の中でも、工夫次第で効果的に学習時間を確保する方法がありますので、ぜひ参考にしてみてください!

小学生・中学生の平均勉強時間は?

まず、実際に現在の小学生・中学生の平均的な勉強時間から見ていきましょう。2022年のベネッセ教育総合研究所のデータによると以下のように勉強に費やす平均時間がわかりました。
ちなみにここでいう平均勉強時間とは平日の「宿題」「宿題以外の家庭学習」「学習塾」の合計時間を指しています。

小学生の平均勉強時間

机に向かって勉強する小学生

小学生の平均勉強時間は小学校4年生~6年生までの平均で1時間30分

推奨される勉強時間は15分×学年数なので、6年生だと90分で勉強時間としては足りているように思いますが、あくまで平均値なので、自宅学習をほとんどやっていない人や、やっても30分以内など極端に短い人は改善が必要です。

中学生の平均勉強時間

受験生を除いた中学1・2年の平日の平均勉強時間は1時間25分

推奨される学習時間は基本的に学年+1時間なので、中学校1年生なら2時間、2年生なら3時間となります。ただ、毎日この勉強時間を続けていくのは果たして現実的でしょうか?

関連記事:中学生は勉強嫌いが増える時期!プロが教える勉強嫌いの原因と対策方法

中学生の1日の生活リズム

勉強時間というと学校や部活が終わった夕方や夜に確保すれば良いというイメージがありますが、実際には上手く行かないことが多いです。なぜかというと、朝8時頃から授業が始まって午後の3時から4時頃までみっちり授業を受け、部活をしているお子さんはそのまま夕方の5時、6時という時間まで活動しています。

中学生が1日のうちで学校に費やす時間

つまり、昼休みに1時間休憩があることを考慮しても8時間~9時間は学校で過ごすことになります。集団指導が中心の授業では机に向かっている時間が長いとは言え、ただ授業を受けているだけでも体力的にも精神的にも相当の負担があるのは当然です。まして、体育の授業がある曜日や、野球部やサッカー部、バスケ部といった練習のハードな部活に所属している生徒であれば放課後、部活後に家で勉強するというのは体力的にも精神的にも難しくなってしまいます。

また、そのような状態で自宅学習をしようとしてもなかなか効率は上がらず、余計に時間がかかってしまうために余暇の時間が減ってストレスを感じてしまうことにもつながりかねません。自宅での学習はモチベーションを保ち続けることが重要ですが、かえって勉強が嫌いになって家で勉強をしなくなることもあります。

関連記事:中学生の部活と勉強を両立させるには?勉強のプロが教える効果的なサポート方法

学習時間の確保の方法

それでは、どのようにして忙しいスケジュールの中で学習時間を確保すればよいのでしょうか。以下にいくつかの具体的な方法を紹介します。

1.「朝食前」に勉強する

朝食を摂る小学生

多くの人は、勉強時間を夕方や夜に確保しようとしますが、実は早朝に勉強する方が効率的です。疲れのたまっている夕方や夜に勉強するのを避け、体力や気力が回復している早朝であれば、効率よく学習することができます。特に、起床後すぐの時間帯は頭が最もクリアで集中力が高まる時間です。疲れた体で夜にダラダラ長い時間勉強するよりも、朝のたった1時間を有効活用するのが家での学習では重要となります。

朝食前に勉強する

朝の勉強時間を確保する際には、朝食を食べる前に勉強することをお勧めします。睡眠後の脳はリフレッシュされており、最もクリアな状態です。この時間を活用して勉強することで、短時間でも高い集中力で学習することができます。朝食後に勉強を始めると、消化のために血液が胃に集中し、脳への血流が減少するため、集中力が低下しやすくなります。

家で勉強するのに朝の1時間を大切にして欲しいことに変わりはないのですが、その大切な朝の時間を有効活用するためにも朝の勉強は「朝飯前」に行うようにしましょう。

関連記事:朝食を食べないと集中力が落ちる⁉ 断食勉強がダメな理由

2.通学時間に勉強する

通学時間も貴重な学習時間に変えることができます。自転車や徒歩通学の場合は難しいですが、公共交通機関で通っている場合、例えば電車やバスでの移動中に単語帳や参考書を使って勉強する、音声教材を聞くなど、通学時間を有効に使うことで学習時間を確保できます。

バスの中で暗記科目を頑張る中学生

電車・バスの中での学習

通学時間に集中できる内容は限られますが、暗記ものやリスニング練習などには最適です。スマートフォンに教材をダウンロードしておくと、隙間時間にいつでも学習できます。

3.学校の休み時間

学校の休み時間や昼休みを活用して勉強するのも一つの方法です。友達と一緒に勉強することで、お互いに刺激を受け、学習意欲も高まります。もちろん休み時間のすべてで勉強する必要はありません。リフレッシュや休息も大切にしつつ、苦手克服や復習にも目を向けてみましょう。

昼休みに勉強する

昼休みはリラックスする時間でもありますが、10分でも15分でも勉強に充てることで、勉強の習慣をつけることができます。軽い復習や単語の暗記など、短時間でできる学習がおすすめです。

関連記事:スマホが手放せない。タブレットに夢中・・・そんな君にこそ伝えたいスキマ時間活用術!

いままで全く自宅学習していなかった人は

これから学習習慣を身につける小学生

一方、小学生も中学生も一定数の子供は学校授業以外で全く勉強しないという子供もいます。
そのように、今までほとんど自宅学習していなかったという人が勉強習慣を定着させるなら、以下の方法が効果的です。

短い時間からはじめる

たとえばまずは1日30分など短い時間から始めるのもおすすめです。授業や部活で疲れた体でも、「30分だけ」であれば集中して勉強することができますよね。実際、人間の集中力が持続するのは子どもで30分程度、大人でも平均すると4,50分で、最長でも90分程度と言われています。つまり、30分だけでも集中して勉強することが出来れば十分に合格点ということができるのです。
そう考えると学校の授業が40分や50分続くのは長いということもできますが、実際の授業はずっと集中しているのではなく、先生の雑談などで適度に休憩を挟みながらの勉強になるので集中力も持続するのです。

時間をイメージした時計

「たった30分の勉強で力がつくのか?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかも知れません。ですが、集中して勉強すれば30分でも色々なことに取り組むことができます。英単語の暗記や数学の演習問題、国語の長文読解でも大問1つに30分はかかりませんよね。

まずは手を動かしてみる

勉強の始め方がわからない場合、まずは手を動かしてみることが大切です。ノートを開いて、ペンを持ち、簡単な問題から解いてみると、徐々に集中力が高まります。

ズーニンの法則」と言って、まずは4分間だけでもがんばると、脳からドーパミンが分泌され、あとからやる気が湧いてくるのです。
まずはやってみる、取り掛かってみるというのが大切です。

目的を明確にする

勉強する目的を明確にすることも重要です。「なぜこの科目を勉強するのか」「この勉強が将来どう役立つのか」を具体的に考えることで、モチベーションを維持しやすくなります。

関連記事:勉強は目標を立てて臨もう!目標の立て方を解説!

小さなことの積み重ねが大きな大きな力になる!

小さなことの積み重ねが大きな大きな力になる

幕末の偉人・吉田松陰の言葉に次のようなものがあります。

「一日一字を記さば、一年にして三百六十五字を得、一夜一時を怠らば、百歳の間三万六千時を失う」

これは、継続することの大切さを説いたものですが、1日30分の勉強を3年間継続すれば約540時間以上もの勉強時間になります。受験前になれば部活も引退し、受験勉強に集中できますよね。それまでに「1日30分」をこつこつ積み重ねれば、それだけ志望校へのゴールも近くなるのです。

関連記事:【努力のエピソード/名言】幕末の偉人に学ぶ、最後まであきらめない大切さ

勉強時間の確保方法まとめ

勉強時間を確保するためには、「早朝の1時間」や「1日30分」を有効に活用することがカギとなります。

夕方や夜に勉強するのが難しいという方も、朝の1時間を利用することで、頭が最もクリアな時間帯に効率よく学習することができます。また、短時間でも毎日続けることで、勉強の習慣をつけることが可能です。通学時間や学校の休み時間を活用することも、勉強時間を確保するための有効な手段です。少しの時間でも集中して取り組むことで、積み重ねが大きな成果につながります。特に、1日30分の学習を3年間続ければ、約540時間の勉強時間を確保することができ、受験勉強に大きな助けとなるでしょう。

家庭学習の習慣をつけることで、効率よく学力を向上させ、志望校への合格に一歩近づくことができます。忙しい日々の中でも、時間を有効に使って勉強する工夫を取り入れてみてください。