学生の皆さん、どうしても勉強に集中できないことってありますよね。実際に勉強をやっている最中に一生懸命集中しようと思っても頭がボーっとしてしまったり、眠気やイライラにおそわれてしまうことがあると思います。
この記事では、特に「食事」にフォーカスして、集中力を高めるための秘密を詳しく紹介します。実は身近な食材があなたの勉強を大きくサポートしてくれるかもしれません!
一体どんな食べ物が集中力に影響を与えるのでしょうか?お馴染みの食材から意外なものまで、たくさんの食べ物が関係しています。
食べ物に気を付ければ、テスト勉強もより効率的に進めることができます。ぜひ最後まで読んで、さらなる集中力アップを目指しましょう!
集中できていない原因には何がある?
集中力の欠如にはさまざまな原因がありますが、特に注目すべきは以下の三点です。
1. 疲労
疲労は集中力を奪う主な要因の一つです。肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労も含まれます。長時間の労働や学習などストレスのかかりやすい状況下での生活は、脳のエネルギー消耗を引き起こし、集中力の低下を招きます。こちらに関しては睡眠不足もそうですね。勉強していて疲れを感じないお子さんはいません!そのためにも日頃の生活習慣を規則正しくし、体調をキープして勉強に臨むようにしましょう。
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2. 栄養不足
栄養不足も大きな問題です。特に脳に栄養がいかなくなるとパフォーマンスは大幅に下がります。脳はエネルギーを大量に消費する器官です。どれくらい消費しているかというと、全身のエネルギー代謝量の約20%を占めているそう!体とは違い、全く動作しない器官なのにこれほどの代謝量があるのは驚きですね。
この脳が消費する主な栄養素がブドウ糖です。それ以外にも多くの栄養素が脳の健康とパフォーマンスに寄与しています。詳しくはこの記事でこれから紹介していきますね!
3. 集中するための環境ができていない
環境要因も集中力に大きな影響を与えます。騒音や不快な温度、適切な照明がないなどの物理的要因や、ストレスや不安といった心理的要因が挙げられます。これに関してはこちらの記事(「勉強をサボっちゃうのはなぜ?環境を改善してサボり癖を治す対策法」)に詳しく説明していますので、是非参考にしてみてください。
今回は特に2について、食べ物という視点から見ていきます。
集中力を高めたいときには何を摂るべき?
では、集中力を高めるためには、どの栄養素が必要になるのでしょうか?
ブドウ糖
集中力を高めるためには、まず何よりもブドウ糖が必要です。先ほども伝えたように脳の疲労は集中力とも多く関連していますが、人間の脳はブドウ糖からしかエネルギーを生み出すことができません。脂肪やタンパク質もエネルギーにできる他の体の部分とは違います。
勉強を集中してやらなければならないときに、脳がエネルギー切れになり頭がボーっとするとしてしまうという状態を避けるためには、ブドウ糖を食べ物や飲み物から積極的に摂る必要があります。
ブドウ糖を多く含む食品
ブドウ糖は炭水化物の主要な構成要素の一つなので、炭水化物を多く含む食べ物に多く含まれています。
- 米
- パン
- パスタ
- うどん
- そば
- じゃがいも
ここで気を付けたいのは精製された砂糖や高GI値の食品(白米、食パンなど)は急激な血糖値の上昇と下降を引き起こし、かえって集中力を損なうことがあるという事です。例えばご飯をお腹いっぱい食べた後はどうしても眠くなってしまうなどは誰でも経験したことがある思います。
低GI値の食品(全粒粉パン、玄米など)を選ぶことで、効率的にエネルギーを脳に運ぶ事が可能になります(GI値については後述します)。
ビタミンB1
ビタミンB1(チアミン)は、糖質をエネルギーに変換する役割があります。ビタミンB1が不足すると、糖質から効率的にエネルギーを得ることができず、脳の機能が低下してしまいます。
ビタミンB1を多く含む食品
- 豚肉
- 全粒穀物
- 豆類
- 赤身肉
- カリフラワー
- ほうれん草
私もテスト前や受験前になると、納豆や豚肉を使った料理を作ってくれるように母親に頼んでいた記憶があります。
また、今回挙げた中でも全粒穀物や豆類は低GI値の炭水化物源でもあるのでおすすめです。
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DHA(ドコサヘキサエン酸)
もう一つ、大切な栄養素があります。DHA(ドコサヘキサエン酸)です。この栄養素は聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?
DHAはオメガ3脂肪酸の一種で健康維持や思考力、記憶力の維持など脳の構造と機能に重要な役割を果たします。英語の長文問題や数学の文章問題など、勉強の中でも特に疲れやすいものだと思います。そうしたときにDHAが助けになってくれるわけです。
実はDHAは人間の体内で生成されない栄養素のため、食品から効率よく摂取する必要があります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含む食品
- まぐろ
- さば
- ぶり
- さんま
- うなぎ
- いわし
DHAはこのように魚(特にイワシ、サバなどの青魚)に多く含まれています。これらの魚を定期的に摂取することで、脳の健康を維持し、集中力を高めることができます。
私も「頭が良くなるから」とのことで幼い頃は青魚がよく食卓に出ていました。
ただ気を付けたいのが調理法で、生魚に含まれるDHA量を100とすると、焼くことで80、揚げることで50まで減ってしまうそうです。
火を通すのであれば蒸すや煮るなどの調理がおすすめ。
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鉄分
鉄分は全身に酸素を運ぶ赤血球の生成に必要な栄養素です。鉄分が不足すると脳へ酸素がいきわたらないため疲れやすくなります。勉強の面でも思考力、学習能力、記憶力に加え疲労感や集中力の低下が起こります。受験勉強やテスト前などの長時間の勉強などの疲労回復のためにも積極的にとっていきたい成分です。
鉄分を多く含む食品
- レバー
- しじみ
- さんま
- 豆乳
- 小松菜
- ほうれんそう
鉄分の吸収を助けるビタミンCと一緒に摂ると効果的です。例えば、ほうれん草のサラダにレモンを絞るなどですね。
カフェイン
カフェインは中枢神経系を刺激し、短期的な集中力と注意力を高める効果があります。しかし、カフェインの摂りすぎや夕方以降の摂取は睡眠を妨げ、逆に集中力を低下させる可能性があります。また先に紹介した鉄分の体内への吸収を阻害してしまうはたらきもあるので注意しましょう。
WHO(世界保健機構)が定めた基準によると大人で300㎎(120mlのコーヒー3~4杯)が一日のカフェイン接種の目安量です。疲れているから、眠気がするからとこの量以上のカフェインを摂る事は避け、その場合は少し横になったり休憩を挟むなどしてリフレッシュするようにしましょう。
カフェインを多く含む食品
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- コーラ
- エナジードリンク
- チョコレート(カカオ)
飲み物の中ではエナジードリンクには特に注意しましょう。ジュース感覚で飲めてしまいますが、カフェインの量はコーヒーの倍以上のものもあるので気を付けて下さい。
また、飲み物では、ハーブを使ったお茶も有効です。集中力を高めるものやストレスを和らげるものなど、色々なハーブティーがあるので試してみると良いでしょう。ハーブティーはカフェインレスなので夜にも飲めるという点がメリットです。
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朝・昼・夜の食事ではGI値を意識して炭水化物を摂ろう!
まず朝・昼・夜の三食の食べ方ですが、勉強中の集中力を高めたいのであればこのタイミングで炭水化物=ブドウ糖をしっかりと摂ることが必要です。
ブドウ糖は摂りすぎに注意!
ブドウ糖はただやみくもに摂ればいいというものではありません。ブドウ糖はごはんやパン、麺といった炭水化物が多く含まれる食品から分解されて生み出されるものですが、その炭水化物を食べるにあたっては、集中力を持続させる上で特に注意しなければならないことがあります。
まず注意するべきは血糖値です。血糖値とはその名の通り、血液の中に含まれる糖の量を表す数値です。炭水化物を多く含む食べ物を食べるとそれが分解されてブドウ糖が作られます。ブドウ糖は血液に混ざって全身に運ばれエネルギーとなるのですが、その血液中に流れたブドウ糖は実は眠気やイライラの引き金の元にもなってしまうのです。
アドレナリンとノルアドレナリン
もう少し詳しく説明すると、まず血糖値が上昇すると、それに反応してアドレナリンというホルモンが脳に作られます。アドレナリンは興奮作用をもたらすホルモンですから、当然やる気や集中力を生み出してくれます。
しかし、血糖値は一旦上昇してもその後また下降して平常値に戻ります。血糖値が下がると、今度は脳内にノルアドレナリンというホルモンがつくられます。これは落ち着きを司るホルモンで、分泌量が多くなると眠気や不安といった気分が現れます。集中しようとしている時に眠気が出てしまうのは避けたいものです。
集中力を高めるという視点から食べ物を考える場合には、ブドウ糖の摂取と血糖値の管理という2つのことに気をつける必要があるのです。
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GI値とは?
血糖値の管理に大きな役割を果たすのが低GI値の食品です。GI値とは、糖が分解され体に吸収されるまでのスピード(速さ)を表したものです。GI値が高い食品を食べると急激に血糖値が上がります。そしてその後の血糖値の低下もまた急なものになってしまいます。
一方、GI値の低い食べ物を意識して選ぶことで、1日の中で起きる血糖値の上がり下がりを緩やかなものにすることができます。血糖値が一定に保たれることにより、勉強中の集中力はしっかりと維持されます。
主な食品ごとのGI値一覧表
低GIと高GIは「GI値」で区別されます。一般に55以下のものが低GI、70以上のものが高GIとされています。
低GI食品(55以下) | 中GI食品(56~69) | 高GI食品(70以上) | |
穀類 | そば スパゲッティ 押し麦 春雨 | 玄米 | 白米 食パン 餅 コーンフレーク 赤飯 |
果物 | りんご メロン イチゴ グレープフルーツ みかん | パイナップル 柿 ぶどう | フルーツのジャム |
野菜 | 葉物野菜 ブロッコリー ピーマン きのこ類 | さつまいも | じゃがいも 里いも 長いも 人参 |
乳製品 | 牛乳 チーズ ヨーグルト バター | アイスクリーム | 練乳 |
勉強している間のおやつにも低GI値のものを!
次に勉強している間のおやつですが、血糖値の安定を乱さないおやつや飲み物を選ぶことをお勧めします。
勉強している間は、脳は思考に集中し常にフル回転状態です。エネルギーとしてブドウ糖が次々に使われている状況です。
このような状態でおやつを食べることにより、ブドウ糖を摂取するとどのようなことが起こるのでしょうか。ブドウ糖の摂取は血糖値を上げ下げすることにつながり、やがて眠気やイライラを引き起こし、集中力を維持したいのに逆効果になりかねません。そうならないように、おやつを食べる際にはGI値に気を配った炭水化物、もしくはチーズやナッツなどのタンパク質の多い食品を食べるようにすると効果的です。
勉強の合間にケーキやチョコなどを食べるのは、集中力を必要とする人間には逆効果となります。どちらも高GI値の象徴のようなメニューですから、眠気やイライラを誘発してしまい集中が途切れてしまうのです。ただチョコのGI値を高めているのは、チョコに含まれている砂糖なので、カカオ成分の多い苦めのものならカフェインを摂る手段としてもおすすめです。
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集中力を高める食べ物や飲み物のまとめ
勉強において集中力を高めるために、食事にも注意を払うことが大切です。特に、脳を働かせるためには十分なエネルギーが必要です。今まで見てきたようにブドウ糖やビタミンB1、DHAなどの栄養素は、集中力を保つのに不可欠です。
ただ摂取するだけでなく、どのような食品をどのように摂るかも重要です。血糖値の急激な上昇や下降は、集中力や思考力に悪影響を及ぼします。そのため、GI値の低い食品などで適切にコントロールしていきましょう。またカフェインも上手に活用していきたいですね。
もちろん、十分な睡眠や適度な運動、ストレスの管理も大切です。これらの要素をバランスよく取り入れることで、心身ともに健康な状態を保ち、学習に集中できるようになります。
集中力は勉強のみならず、あらゆるパフォーマンスの成果を左右する重要な要素。身近な食べ物からしっかり気を付けていきましょう!