学校の勉強や受験勉強は役に立たない? 意味ないと言う人へ教えたい「学ぶことの重要性」

勉強が苦手な小学生や中学生は、学校の授業で習う事がどう役に立つのかイメージできずに、「無駄なことをさせられている」と思ている人も少なくないのではないでしょうか?
今回はそんな「勉強が役に立たない」と感じている人に向けて「学ぶことの重要性」をお伝えします。
例え直接的には役に立たなくても、学校の勉強や受験勉強を通じて養われることは実はとても多く、また重要なのです。
このコラムでは、勉強の力がどれほど大きな影響を与えるかを解説します。苦手意識を払拭し、自信を持って学び続けるためのヒントがここにあります。

たとえ直接役に立たなくても、これだけある「学ぶことの重要性」

学ぶ事の意味をいまいちつかめていない小学生

学校での勉強は基礎を固めるために必要です。学校で学ぶことは、基本的な知識やスキルを身につける場です。数学や科学、国語などの科目は、社会で活躍する上で必要不可欠な基礎的な知識となります。例えば友人とレストランで食事をした際に、支払いを割り勘する際に必要な計算などは割り算が使えますね。しかし、これを読んでいる人は割り算や掛け算の話ではなく、例えば二次関数や微分積分が何の役に立つのかと思っているのではないでしょうか?
では以下から「学ぶことの重要性」を本格的に見ていきましょう。

能力や思考法が養われる

日常生活で直接利用されない科目やスキルでも、それらを習得する過程で養われる能力や思考法が重要になります。例えば、数学や科学といった分野は、その公式そのものを当てはめる場面がなくとも、論理的思考や問題解決能力を高めるのに役立ちます。これらの能力は、日常生活や仕事のさまざまな局面で活かされます。例えば、家計の管理や買い物、情報の分析など、日常的な活動においても、論理的思考や問題解決能力は必要不可欠です。このように、学んだことが直接的に役立たない場合でも、思考力などを通して間接的に役立つことが多いのです。

思考能力を養える

例えば数学に限らず、国語であっても読み書き能力や表現力を身につけた国語の知識は、日常生活でのコミュニケーションに欠かせないスキルとなります。例えばメールやSNSでの投稿などは身近なものではないでしょうか。ほかにも新聞やウェブサイトの記事を読んで情報を理解し、他人と意見を交換する際には、国語を通じて培った読解力や議論のスキルが求められます。

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自らの成長と管理能力の向上

学校での勉強や受験勉強は、自己成長と自己管理を促進します。勉強には計画立てや目標達成のスキルが必要です。学校での勉強や受験勉強を通じて、自己管理や時間管理、目標設定などの能力を向上させることができます。これらの能力は、将来の人生で成功するために不可欠です。また、自分の成長を実感することで、自信を持つことができ、学習意欲が高まります。

クラスメイトとコミュニケーションをとる中学生

学校での勉強や受験勉強は、社会とのつながりを築く機会を提供します。学校や塾での勉強は、クラスメートや教師との交流を通じて、コミュニケーション能力や協力する力を身につけることができます。また、受験勉強を通じて、同じ目標を持つ仲間との絆を深めることができます。これらのつながりは、将来の人生で役立ちます。就職活動や社会生活において、人間関係を築く上で重要な要素となります。

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柔軟な対応力が養われる

また、現代社会では技術や知識の進歩が速いため、将来的には日常生活でも今までとは異なる形でこれらの知識やスキルが必要になる可能性があります。例えば、テクノロジーの発展によって生活が変化し、これまでになかった新しい技術や概念が登場するかもしれません。そのような状況下では、幅広い基礎知識やスキルを持っていることが、柔軟に対応するための重要な資産となります。例えば以下の例が考えられます。

例1: ドローン技術の発展

将来、ドローンがさまざまな場面で活用される可能性があります。例えば、災害時にはドローンが空から被災地を監視し、救助活動や物資の配送に活用されるかもしれません。そのためには、数学や物理学の基礎知識が必要です。ドローンの飛行経路を計算するためには、数学の計算能力が必要ですし、物理学の知識が飛行の安全性を確保する上で役立ちます。

ドローンのイメージ画像

例2: 人工知能(AI)の普及

将来、人工知能(AI)がますます身近な存在となるかもしれません。スマートホームや自動運転車など、AIが日常生活のさまざまな場面で活躍する可能性があります。このような状況では、プログラミングや情報技術の知識が重要になります。例えば、自分の家のAIシステムをプログラミングして、家電製品を制御したり、自動運転車のプログラムを理解して安全な運転を確保したりする必要が出てくるでしょう。

例3: グリーンエネルギーの普及

将来、地球温暖化や環境問題への対策として、再生可能エネルギーの利用がますます重要になるかもしれません。太陽光発電や風力発電などのグリーンエネルギーの普及により、エネルギーの生産や利用方法が変わる可能性があります。そのためには、科学や技術の知識が不可欠です。太陽光発電システムの仕組みや風力タービンの設計原理を理解し、エネルギーの効率的な利用方法を考える必要が出てくるでしょう。

これらの例からも分かるように、将来の社会では新しい技術や概念が登場する可能性があり、そのような状況に対応するためには幅広い基礎知識やスキルが必要です。

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学ぶことは人生の可能性を広げてくれる

勉強が苦手な子は、学校の勉強が出来なくても大人になれば何かしら仕事はあるんでしょ。と安易な発想を抱くかもしれません。もしくは、テレビやYoutuberを見ていると勉強と成功することは何ら関係がないように思えるかもしれません。

前者は見方によってはもしかしたら小さなころから夢や希望を捨てているとも言えるかもしれませんし、人生を狭めているとも言えるかもしれません。
後者にしても、きらびやかに見えてしまいますが(あなたが学生であれば余計にそう見えるでしょう)しかし、一時もてはやされても「あの人は今?」状態になっている人も多くいます。
例えばYouTuberにしても、YouTubeの運営会社はGoogleですが、例えばGoogleがYouTubeの広告収益基準を現状より低く、厳しく設定したらどうでしょうか。
(実際に炎上狙いで再生回数を増やそうとするユーザーが増えるようであれば、その可能性は大いに考えられます。)
※実際にその後収益基準は厳しくなっており、YouTuberで食べていける人は激減しています。

タブレットでYouTuberを見る人

もちろん、夢を持つなと言っているわけではありません。やりたいことに向かって努力する経験は大切ですし、財産にもなるでしょう。
しかし学校での勉強は、将来の可能性を広げるための大きな基盤となるのです。学校での勉強や受験勉強を通じて得られる知識やスキルは、将来の進路の選択の幅や可能性を広げてくれます。高い学力や成績を手にすることは、進学や就職の選択肢を広げることができます。また、受験勉強を通じて得られる努力や忍耐、挑戦する意欲は、将来の成功につながる重要な要素となります。

しかし、その裏返しで勉強をさぼってしまったばかりに、人生の選択肢が気づかないうちに少なくなるというのはどうしようもなく事実なのです。その結果、大人になってからもっと違った人生があったのではと嘆く可能性もないとは言えません。

現実を嘆く学生

むしろ、勉強を頑張ったから、今の自分があると言える将来が待っているかもしれません。もちろん、勉強を頑張ったからと言って思い描く夢が叶うとは限りません。将来は誰もが予知できるものではありません。しかし、頑張るからこそ開ける道もあります。

それが勉強なのか運動なのかは、思い描く未来によって何の役に立つかは変わってきます。

運動する子も、ワールドワイドで活躍する際は、語学を学ばなければならないでしょう。コミュニケーションは言葉が伝わらなければ、チームの戦略や自分の思いを伝える事もままなりません。いくら実力があろうと、意思疎通を大事とする競技であれば語学はなおさら重要といえるでしょう。学ぶ力は他人任せでは高まりませんし、語学を勉強と捉えてしまうと、苦手意識が邪魔をするかもしれません。
そのため、自分自身が学ぼうとする欲求を高めるからこそ、備わる力にもなってくれます。そのため、小学校や中学校で学ぶ授業が無駄な知識と決めつけてしまうのは、実に勿体ないのではないでしょうか。

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学んだことは無駄にはならない

知識を蓄えている学生と大人

知識をひけらかすことが大人としてのステータスにはなりません。しかし、知識が豊富な人はコミュニケーションも上手く、柔軟な考えができる傾向があります。彼らは、話していて飽きることがなく、多くの人にとって魅力的な存在となります。なぜなら、彼らは学ぶことの重要性を理解しており、自分自身を継続的に成長させることを恐れません。

知識は一生の財産です。それを積み重ねることで、自分の人生をより豊かにすることができます。知識が豊富な人ほど、様々なトピックについて会話を楽しむことができ、他の人たちとの交流を豊かにします。勉強を通して得られた経験は、直接的には未来に役立たないこともあるかもしれませんが、それらの経験や失敗から学んだことは、私たちの人間性を形作ります。それらの経験が、私たちが直面する未来の課題に対処するための器を形成しているのです。

学校での勉強が将来に役立たないと考えることは、実は大きな誤解です。勉強をすることで集中力や精神力を鍛えるだけでなく、学習能力や解決能力も養われます。これらのスキルは、将来のキャリアや人生において極めて重要です。例えば、難しい問題に取り組む際に必要な思考力や解決能力は、勉強を通じて身に付けることができるものです。

勉強は苦手意識を克服し、自信を築くための重要な手段でもあります。学ぶことで、自分の可能性を広げ、未来に向けて前向きに歩むことができます。したがって、勉強は単なる知識の蓄積だけでなく、個人の成長と発展のための重要なプロセスであると言えます。

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最後に学校の勉強や受験勉強は役に立たないと思う人へ

笑顔の女子中学生

学ぶことで損することは決してありません。むしろ、自分の生活や考え方を豊かにしてくれる事が出来る大切なものです。そのため、小学校や中学校で始まる勉強は無駄ではなく土台にもなってくれます。やる気が出ない子や、勉強を諦めてしまおうと考えている子は、一度自分の将来を考えて目標を立ててみましょう。その目標をあきらめずに達成させるには、どういった事が必要となるか考え、必要なのは文学(語学)なのか、化学や数学など、どの分野の能力が必要となるか分かったら、まずは実行してみましょう。

勉強は自己成長にもつながります。新しい知識や経験を積み重ねることで、自分自身をより豊かにすることができます。そして、その結果、自信を持って人生を歩むことができるようになるのです。勉強が役に立たないと考えることは、自分の可能性を制限することになります。だからこそ、勉強の重要性を再確認し、学ぶことへの意欲を持つことが大切なのです。