睡眠時間削って勉強するリスクって?寝不足では勉強の意味がない3つの理由

テスト勉強のために一夜漬けをする生徒は、中学校の定期試験あたりから増えます。小学校の頃は、夜8時や9時に就寝しなさいと言われますが、中学生頃から変わります。中学生は、通常は夜10時から11時に就寝することが推奨されます。これにより、充分な睡眠時間を確保し、身体や脳の成長に必要な休息を取ることができます。しかし、テスト勉強や課題に追われる中学生は、睡眠時間が犠牲にされることがあります。特に試験前の夜は、深夜まで勉強に費やすことが一般的です。しかし、睡眠時間を削って勉強することは実はデメリットが多くあります。
今回はつい夜更かしして勉強しがちな学生さんに向けて、睡眠時間を削って勉強するリスクを紹介します!

勉強のために睡眠時間を削るのはNG

睡眠時間が足りていない中学生

当たり前ですね。勉強のために睡眠時間を削ってしまうのは絶対にオススメできない勉強法です。
人間の脳は、日中働き夜間は休むといった本能的な働きがあると言われています。
そのため、どうしても夜になれば脳の働きが鈍くなり、勉強に身が入らないといったことが起こります。

特に成長段階の小学生や中学生は夜更かしをして勉強を行っても記憶に蓄積されない可能性が高くなります。何よりも日中、学校で勉強し脳がフル活動しているのにもかかわらず、晩御飯を食べて、お風呂に入ってリラックスした後に、勉強のために脳を働かせるというのは大人でも難しいものです。

また無理に眠気を抑えて勉強を行えば、覚えようとする知識も曖昧な情報になりやすく、また寝不足から疲労が蓄積されて体調にも影響が及んでしまうため、睡眠時間を減らして勉強するやり方はオススメできません。

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中学生の理想的な睡眠時間と現状

中学生の理想的な睡眠時間と現状

一説には中学生の理想的な睡眠時間は8時間半~9時間と言われています。
もちろんロングスリーパー、ショートスリーパーという言葉があるように、本当に最適な睡眠時間は一人一人によって違うのでしょうが、それでも大人よりも長い睡眠時間が必要であるのは間違いありません。

一方で中学生の平均的な睡眠時間は理想より1時間ほど短い7時間半~8時間なのだそう。
学年が上がるのに比例して睡眠時間は短くなる傾向にあります。

では、睡眠時間を削ってしまうことで、どのようなことが起きるでしょうか。
寝不足が招くリスク、デメリットを見ていきましょう。

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睡眠時間を削って勉強することのデメリット・リスク

理想的な睡眠時間と実際の睡眠時間

普段の学校生活に悪影響がでる

周りの生徒が寝ている時間に頑張って勉強しているといった気持ちは、モチベーションを高める事にもなりますが、実際には、日中の学校での授業中に眠くなったり、授業に集中できないとなる場合が多く、トータルで考えれば逆効果になるリスクもあります。本来であればわかりやすいインプットの時間である授業中に居眠りすれば、大問題です。成績はおろか、授業態度を評価される内申書にも影響が出る可能性もあります。また集中力や反応速度が鈍り、テストや試験での成績が悪化することも考えられます。

ケアレスミスが増える

頭が冴えている状態であれば、解答できるはずの問題も、寝不足によりケアレスミスが増えれば、いくら知識があっても点数に表れなければ、成功とは言えません。定期試験や受験では、点数が出なければ意味がありません。

睡眠不足は集中力を低下させます。十分な睡眠をとらないと、脳の機能が正常に働かず、情報を処理する能力が低下します。その結果、問題を注意深く読み取れず、誤った解答を選択する可能性が高まります。また、睡眠不足は記憶力にも影響を与えます。睡眠中に脳は情報を整理し、記憶を定着させる重要なプロセスを行います。しかし、睡眠不足の場合、このプロセスが妨げられます。そのため、テストで必要な知識や情報を正確に思い出せない可能性が高まります。
この他にも睡眠不足は判断力や反応速度を低下させることがあります。問題に対する正確な判断や適切な対応が難しくなり、誤った選択をしてしまうことがあります。特に、疲れた状態や眠気が襲ってくると、判断力がますます低下し、ミスを犯しやすくなります。

以上の事から睡眠不足はケアレスミスに結びつきやすくなります。

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健康に影響が出る

疲れ切った顔の高校生

そして、寝ずに勉強して得た結果を大々的にひけらかすネット情報などを参考にしてはいけません。成長期に睡眠時間を削っては、将来に関わる病気を患う可能性もある恐ろしいものだと知っておきましょう。確かに成功した人の中には、病気にもかからず上手く行ったかもしれませんが、それを真似して問題を抱えてしまうと、将来を台無しにしかねない重大な問題に発展します。

また、メンタル面においても、睡眠時間の短い人は気分が落ち込みやすくなるというデータをベネッセが発表しています。

睡眠不足は成績だけではなく、精神衛生にも影響を与えていました。睡眠時間が長い子どもと短い子どもを比較した結果、睡眠時間が短い子どもの方が疲れやすい、いらいらする、気分が落ち込む、と答えた割合が高い結果でした。また、昼間の眠気を訴える子どもも多いという結果でした。よって、普段の睡眠が平均より短い、または精神的に不安定なお子さまは、日々の睡眠時間の見直しが必要かもしれません。一方で必要な睡眠時間は人によって異なります。何時間寝るべきか、睡眠・体内時計の専門家でもベストな答えは持ち合わせておらず、なかなか一概に何時間と決まっているものではありません。一つの考え方ですが、休日により長く寝ている子どもは、つまり平日に睡眠が足りていない可能性があります。よって、睡眠時間を平日も休日も同じくらい取ることは一つの目安になると思います。

出典:第1回「睡眠時間が短い子どもの方が、成績が良い?〜睡眠習慣と成績の深い関係〜」

受験だけでなく普段の暮らしも儘ならない状態になれば一大事です。健康的な暮らしが行えることで勉強にも身が入るため、全て投げ捨ててしまうような事にならないようにしましょう。

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寝不足では勉強の意味がない3つの理由まとめ

朝早起きをする子供

人と違う事をやっているという達成感は一つ間違えば、精神的に不安定になる可能性があります。
もしも、人よりも勉強時間が欲しいというのであれば、睡眠時間を削るのではなく、朝早く起きて勉強する方が効果的です。無理して深夜まで起きて眠い目をこすりながら寝不足のまま勉強するぐらいなら、朝勉強もしくは、土日や祝日の日中時間に効果的な勉強を行いましょう。

成長期の睡眠時間や食事といった生活習慣は、成長を促す肉体や精神にも大切なものとなるため、勉強計画をしっかりと見直しましょう。