英語の苦手意識を克服!プロが教える嫌いを得意に変える勉強法

みなさん、こんにちは!このコラムを読んでいる人の中にも英語に対する苦手意識を克服したいと考えている人は多いと思います。実は多くの中学生が英語の文法が複雑だったり、覚える単語が多すぎたりすることで、英語学習に苦手意識を持っています。

しかし、その壁を越える方法はたくさんあります。今日は、英語の苦手を克服するための具体的なアプローチ方法をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!

中学生の嫌いな教科「英語」

ベネッセ教育総合研究所が実施した「高校受験調査」によると、高校1年生を対象にしたアンケートで中学生の頃に英語を最も苦手と感じていた生徒の割合は27.2%で「一番苦手だった教科」の2位でした(ちなみに1位は数学で、28.9%の生徒が嫌いな科目に挙げています)。

一番苦手だった教科
出典:高校受験調査

このほかにも学研教育総合研究所が発表している「中学生白書」でも「嫌いな科目」の2位は英語でした。

嫌いな科目
出典:中学生白書Web版 学研教育総合研究所|学研

なぜこれほど英語を苦手に感じている中学生が多いのでしょうか?次にその原因を見ていきましょう。

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なぜ英語を苦手に感じる生徒が多いのか

なぜ英語を苦手に感じる生徒が多いのか、その原因はさまざまなことが考えられます。
ここでは主だった理由を説明していきます。

1. 文法の複雑さ

英語の文法は、日本語とは大きく異なるルールが多く、特に文法事項の複雑さが生徒たちにとって大きな壁となっています。たとえば、時制の使い分けや冠詞の使い方、動詞の変化形など、日本語にはない概念が多く含まれているため、理解するのに時間がかかります。文法が理解できないと、文章の構成ができず、結果として読むことも書くことも困難になり、英語全体が嫌いになってしまいます。

2. 単語力(語彙)の不足

英単語など、単語力が不足していると、文章を読んでも意味が理解できず、英語の授業やテストが辛く感じられるようになります。英単語を覚えるには多くの時間と努力が必要ですが、中学校の授業では定着する前に他の内容が次々と進んでしまうことが多く、それにより追いつけない感覚が生まれます。このような状況が続くと、英語に対する苦手意識が強くなります。

3. リスニングの難しさ

日本語と英語では発音の仕組みが異なります。日本語と英語では発音の仕組みが大きく異なります。英語には日本語にない音やアクセントのパターンが多く、それらを聞き取るのが難しいです。特に、th音やr音、l音など、日本語にはない発音を聞き取るのは大変です。これがリスニングの障壁となります。また上記の文法や単語力とも関連しますが、英語の単語やフレーズを十分に知らないと、聞き取った音を意味として認識できません。知らない単語が多いと、一部しか理解できないため、全体の意味を把握するのが難しくなります。この理由によってもリスニング全体が困難に感じられます。

4. テストで点が取れない

今まで見てきたことの総合的な結果でもありますが、今まで見てきた理由により英語が苦手になると、テストで良い点を取れないことが続くと、モチベーションも低下します。
実際に下記のベネッセが調査したデータを見てみると、英語を苦手に感じている人は「文法が難しい」に続いて「テストで思うように点が取れない」ことを英語学習でつまづきやすいポイントとして挙げています。

英語学習でつまずきやすいポイントについて聞いたところ、「文法が難しい」「英語のテストで思うような点数が取れない」「英語の文を書くのが難しい」と感じている割合がそれぞれ7割以上と高くなっています。

【英語学習でつまずきやすいポイント(とてもあてはまる+まああてはまる)】
表 英語学習でつまずきやすいポイント(とてもあてはまる+まああてはまる)

また、英語に対する認識別にデータを見てみると、英語に対して「苦手かつ嫌い」と思っている子どもの9割は、「文法が難しい」「英語のテストで思うような点数が取れない」と答えています。

「英語のテストで思うような点数が取れない」割合が高いのは、小学校でのコミュニケーション重視の活動から、テスト(主に筆記)によって評価されることへの転換がうまくいっていないことが推察されます。

出典:【第1回】中学校で英語が苦手になる子が多いのはなぜ?|ベネッセ教育情報サイト

では、どのように英語の苦手を克服していけばいいのでしょうか?

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嫌いを得意に変えるおすすめ英語学習法

克服法1. 基本的な文法を覚える

まず、基本的な文型への理解不足が、文法を覚えられない原因のひとつです。日本語と英語の語順が全く違うため、文型をしっかりと理解することが重要です。主語(Subject)と動詞(Verb)が基本的な文型の基礎です。例えば、「She goes to school every day.」のような例文を使って確認すると効果的です。英語の基本文型であるSVO(主語+動詞+目的語)を理解すると、文章を組み立てるのが楽になります。「I play soccer.」のような簡単な文を作って練習してみましょう。

次に、品詞を覚えていないことも文法理解の妨げとなります。品詞とは名詞や動詞などの「単語の種類」を表す言葉です。名詞、動詞、形容詞の役割を理解することで、教科書や参考書の説明が理解しやすくなります。例えば、「cat」(名詞)、「run」(動詞)、「beautiful」(形容詞)のように、それぞれの品詞を使った例文を作り、理解を深めることが重要です。

また、文法用語やその説明だけを覚えようとするのは効果的ではありません。実際の使用場面をイメージしながら学習することが大切です。例えば、「不定詞」は「to + 動詞の原形」であり、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法がありますが、それが実際にどのように使われるのかをイメージしながら学びましょう。文法の必要性や、どんな時に使うのかを考えながら学習することで、理解が深まります。

不定詞の使われ方

以下では不定詞の名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法について具体的な例を挙げて説明します。

名詞的用法
「I want to eat pizza.」
この文では「to eat pizza」が不定詞で、名詞の役割を果たしています。つまり、「何をしたいか」を表しています。

形容詞的用法
「I have a book to read.」
ここでは「to read」が不定詞で、名詞「book」を修飾しています。この場合、「読むための本」という意味になります。

副詞的用法
「She went to the store to buy milk.」
この文では「to buy milk」が不定詞で、動詞「went」を修飾しています。「牛乳を買うために店に行った」という意味になります。

これらの例を通じて、不定詞がどのように使われるかを具体的に理解することができます。文法の必要性やどんな時に使うのかを考えながら学習することで、理解が深まります。
文法の理解を深めるためには、実践的な練習が欠かせません。人の記憶が定着するのはアウトプットをする時です。問題を解いたり、スピーキングやライティングの練習を積極的に行いましょう。例えば、毎日簡単な日記を英語で書くことで、実際に文法を使う練習をするのが効果的です。

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克服法2. 単語力を鍛える

次に英単語力を向上させるための具体的な方法を詳しく説明します。

文脈を意識する

単語の理解を深めるためには、単独で覚えるのではなく、その単語がどんな文脈で使われるのかを理解することが大切です。例えば、「run」という単語を覚える際には、「I run every morning.」という文も一緒に覚えることで、その単語の意味や使い方を実感しながら覚えることができます。

アプリなどの活用

視覚的な学習法として、暗記カードを活用することも効果的です。単語とその意味や使い方をカードに書き、定期的に復習することで記憶に定着させましょう。また、スマートフォンのアプリを使うと、どこでも気軽に学習することができます。また単語をカテゴリーごとに学習することも推奨されます。例えば、動物、食べ物、学校関連など、テーマごとに単語をまとめて学ぶと、関連性がわかりやすくなります。

 

毎日の習慣にする

英単語の学習は、日常的な習慣化が重要です。毎日少しずつ学習し、規則正しい復習を行うことで語彙力を徐々に増やしていきます。例えば、毎日10単語を覚える目標を設定し、それらを使った実際の文を作成して、覚えた単語を実践で使ってみましょう。

克服法3. 間違いを恐れず声に出す

例えば、海外の方に英語で道を尋ねられたときに上手く対応できなかったなど、英語を話そうと思っても単語が出てこないというのは、大人でもある事です。母国語が日本語である限り、英語を使う頻度もとても低くいため、一度苦手意識を持ってしまうとなかなかそれを取り除くのは難しいことです。

言葉は意味を理解すると、考えずに発することが出来ますが、英語など意味があいまいな単語や覚えていない単語がある外国語を話す時には、間違いを恐れる気持ちが先に立って、なかなか声に出せないという方が少なくありません。間違って口に出すことが恥ずかしいなどの羞恥心があるのも分かりますが、声に出さなければ相手には伝わりません。

表現を伝えるためにはスピーキングありきとなります。英単語や熟語だけ覚える勉強法に固執してしまうと、いざ会話をしようとしたときに文法などにも捉われすぎて声に出すことが出来ないといったことが起きてしまい、それが英語の苦手意識に繋がってしまうのです。

私たちが日々話す日本語は間違った言葉を発したとしてもニュアンスなどを読み取り会話が成り立つことはあります。

英語も日本語と同じようにまずは間違いを恐れずに話してみることが大切です。言葉に出すことで間違いや単語の抜けなどにも気が付きますし、正しい英語や文法・会話表現などをを知るきっかけにもなります。

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英語は会話することで覚えられる

厳密にいえば英語の習得のゴールは、ネイティブな発音でグローバルな社会で通用する会話が出来るといったことになるでしょう。しかし中学生や小学生の英語学習のゴール地点はここまで高くはありません。

そのため、間違った発音や伝わりにくい言葉だとしても、相手に自分の意思を伝え理解してもらえることが語学における重要なポイントになります。ですので、英語という語学を学ぶ上で、一番大切にしなければいけないのはスピーキングやリスニングで相手の言葉を理解することです。

それらが出来るようになること英語でのコミュニケーションの楽しさも知ることができ、英語への苦手意識や、声にすることの恥ずかしさも無くなっていきます。

ここに注意!単語や熟語のみの英語学習の落とし穴

よく英語の勉強というと単語や熟語表現、イディオムなどの暗記系を中心に勉強してしまう学生さんが見受けられます。もちろんそれらも重要であることに変わりはないのですが、単語や熟語に特化しすぎた勉強法では、英会話に慣れることが難しいまであり、実際に会話する際に、文法などを気にしすぎるようになり、逆に日本人の英会話力を弱め、間違う事への恐怖感を生む原因にもなります。

いうなれば単語や熟語を覚えることは料理の材料をそろえること。しかし、美味しい料理を作るには、材料だけでなく、それらに適した料理法・作り方を知らなければなりません。

これからの、グローバル社会を生き抜くには、点数アップの勉強方法よりも生きた言語を使いこなせるほうが、社会に出た時に有利に働くことは間違いありません。とにかく、吸収する意欲があるうちに、言いたいことを英語で声に出すことも意識して行うようにしてください。
次第に会話力が身に着くにつれ語彙力強化にも繋がり、文法なども落とし込むことが楽になります。

英語が苦手なお子さんこそ、声に出すという取り組みで言葉のキャッチボールを意識しましょう。誰かと話すことが出来るようになることが、語学では大切な学び方となります。会話術を磨くことで、コミュニケーション能力だけではなく、語彙力の必要性や英語学習といった学校の授業本来の理解度も深める事も可能となります。

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英語の苦手意識を克服する方法まとめ

いかがでしたか?英語の学習、少しでも楽しくなってくれたら嬉しいです。苦手を克服するためには基本からじっくり始めて、自分のペースで進めていくことが大切です。基本的な文法から始めて、日常で使える単語を増やしていくことで、英語の理解が深まります。少しずつ進歩することで、自信がつき、英語が楽しくなること間違いありません。

英語の苦手を克服したい方はぜひ取り組んでみてくださいね!