予習には意味がない?予習の効果とメリットを解説!

予習のメリットとはいったい何でしょうか?
そもそも学習において「予習」は大切なのか?「復習」でも十分なのではないか?そのように思われる方も多いのではないでしょうか。
実は予習には、復習にはない素晴らしい効果があり、学習を楽しく効率的にする事が出来るのです。この記事では、予習の重要性について詳しく解説します。

予習にはどんなメリットがある?

授業で分からない問題に不安な表情を見せる学生

予習のメリット1.学習における不安をなくす

「見知らぬものに不安を感じる」これは人間に備わった防衛反応です。
そのため、初めての学習内容に不安を感じるのは人間の生理的な反応であり、おかしなものではないのです。
初めて目にする「単語」や「数式(公式)」に触れるとき、多くの人は興味よりも不安を強く感じます。時には拒否感すら生まれてしまうのです。自覚できるほどの不安を感じなくても、多くの場合、小さな不安を感じています。

これは学習だけに限った事ではありません。例えば「全く知らない場所」に出かけるときはどうでしょうか?多くの人が不安を抱えることでしょう。ですが、出かける前に、その場所に対する「予習」が出来たら?ある程度その場所の情報を知ることが出来たら、不安感は減るでしょう。

学習に置き換えると、予習なしで受ける授業は、「知らない場所」です。見慣れない、良く分からない、不安な場所です。ですが「予習」をすると「知らない場所」は、「一度行った事のある場所」になります。旅行の下調べのように、その旅行先の事をしっかりと知ってしまえば、不安を感じるどころかワクワクした気持ちにもなることでしょう。

予習のメリットの一つとしては予習することで、不安や緊張をなくし、良い状態で学習する事が出来ることです。予習には不安を解消し、興味をもつことができるという力があるのです。

予習のメリット2.質問箇所が分かる、ペース配分ができる

ポイントの図

「予習をしても、結局は分からないところが沢山出てきてよく分からないまま授業に臨むことになる」そのように思う方も多いでしょう。ですが、予習では、分からないところがたくさん出てきて良いのです。目を通す。とりあえず考えてみる。それがとても重要です。
分からないところがあっても大丈夫、むしろそこが大切なのです。「どこが分からないのか」を、本番(授業)前に明確にすること。これも予習のとても大きなメリットのひとつです。

予習の時点で「分からない箇所はここ」と、あらかじめ知っておくことで、授業で先生が話している時に、自然と意識は授業に引き付けられます。
理解できている部分を先生が話している間も「ここは分かったところだ、やっぱりこうだった」と、自然に耳を傾けられますし、「分かっている」という事は楽しいものですから、集中力も上がります。

また、45分~1時間程度ずっと集中して授業を受ける事は、大人でも大変なことです。ですが、予習には分からないところを明確にでき、特に集中すべき場所を絞る事も可能になるというメリットがあります。理解できている部分は、リラックスして授業を受け、分からないところの説明に入ったところで集中することができます。集中力をエネルギーとするなら、効率的にエネルギーを配分できることになります。学習効率のアップにはとても重要なポイントです。

また「予習で理解したこと」は、授業で学ぶときに二度目の学習となります。つまり「復習」の様なものです。予習をすると、結果的に復習も付いてくることになるのです。

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予習のメリット3.予習がもたらす成功体験

自信を持って勉強に取り組む中学生

「予習」をする事で、授業前に理解できる場所が出てきますし、質問する場所が分かるようになります。これは「良い質問」が出来る事にもつながります。「何かよくわからない」ではなくて、「具体的にここが分からない」と質問できるようになるというメリットがあります。学習効率のアップにとても大事な事ですが、実はこれには、さらなるプラス効果があるのです。

周囲の評価がアップ

それは「周囲の評価がアップ」することです。
授業内容には多くの生徒がつまずいてしまうような、分かりづらいと感じる部分があります。自分が分からない部分は、他の子も分からない可能性が高いのです。そのためクラス内には、「ここが分かりません、説明してほしいです」と、誰かが言ってくれるのを待っているような子もいるのです。
そこを質問してくれる子は、なかなか質問ができない子にとってはとても頼れる、ありがたい存在です。先生も「なるほど、ここが生徒には難しいのだな、もっと詳しく説明しよう」と思いますし、「こういった質問が出来るくらい、真剣に授業を聞いてくれていたんだな」と嬉しく感じるでしょう。

褒められる経験

これらは、とても大切な「褒められる体験」になります。子供は特に、他人から評価されると嬉しいと感じます。やる気が上がります。そして自然と、学習にかける時間も増えることになります。予習のもたらす好循環です。

 理解できたという楽しさ

そして「分かると楽しい」という心は、誰もが持っています。好奇心が満たされると楽しくなる感覚は、多くの子にとって共通しているものです。予習をすると「分からないところ」が出てきますが、同時に「分かりたい」という気持ちも生まれてきます。
授業に集中でき、好奇心が満たされて「楽しい!」という気持ちが湧いてくるのです。

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効果的な予習方法

STEP1.大まかな概要をつかむ

  • 教材の確認: 授業で使用される教科書やテキストを確認し、予習する範囲を把握します。教科書だけでは不十分な場合はわかりやすい参考書も併用しましょう。深く読むことはせずにおおよその内容を把握しましょう。
  • 重要ポイントのチェック: 教材の確認が終わったら、その中から授業で取り扱う内容や重要なポイントを拾い上げておきます。また教科書に問題が掲載されている場合は自分で解いてみるのもいいでしょう。スムーズに解けなくても問題ありません。重要なのは理解を深めることです。
  • 基礎知識の把握: 英語の場合は、授業で読む英文の和訳や新出単語、文法を事前に把握しましょう。

STEP2.理解できなかったところにチェックを入れる

  • 理解度の整理: 教科書を通じて「理解できる部分」と「理解できない部分」を整理し、重要なポイントや疑問点をメモしましょう。
  • 重点的な注意: メモした疑問点や重要なポイントに注目しておくことで、実際に先生の話す内容のポイントがつかみやすくなり、授業での理解が深まります。

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予習する上での注意点

自宅で予習を行う中学生

過度な予習

予習は授業内容を理解しやすくするための準備ですが、あまりにも過度な予習は逆効果になります。予習しすぎて授業での理解を妨げることがあるため、適度な範囲での予習を心掛けましょう。

重要ポイントの見逃し

教科書やテキストを読む際に、重要なポイントや疑問点を見逃さないように注意しましょう。重要なポイントや疑問点を把握することで学校での授業が普段の何倍も有意義なものになります。

復習も大切に!

予習と復習のバランスを保つことも大切です。復習では過去の学習内容を振り返ることで基礎知識の定着や忘却の防止が可能ですが、予習に過剰な時間を割くことで復習がおろそかになることがあります。予習と復習の両方に適切な時間を割り振るように心がけましょう。

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予習をして学習の好循環につなげよう!

予習をして学習を効率よく行う高校生

このように、予習はたくさんの良いメリットがあります。学習を効率よく行うためには「学習に対するモチベーションを保つ」こと「学習を楽しいと感じる」ことがとても大切です。

その両方を手に入れるために、予習はとても適した学習方法なのです。少しずつでも授業の前の予習をすることで、学習の好循環は必ず生まれ始めてくるでしょう。

皆さんのこれからの学習にぜひお役立て下さい!