
スマホばかりで勉強しない!
家庭教師をしていると、ご家庭からこんな相談を受けることがあります。
「YouTubeやTikTokに夢中になって心配…。」
確かに一度、YouTubeを見始めると、関連動画が次々と出てきてやめられなくなるのでしょう。すると必然的に宿題や、中学高校には非常に効果的な予習をする時間もなくなります。
そのご家庭の生徒さんは中学に入学して、一学期はまあまあの成績で5教科の平均は、70〜80点台でした。それが、二学期になると、宿題もテスト勉強もあまりしなくなり、平均点が50点台に落ちてしまいました。そのお母さんは本当に心配していました。
スマホを隠したり、取り上げようとすると、今までおとなしかった子供が猛然と怒りだし、急に反抗してきたと言います。はたして急に反抗を始めたのでしょうか。実は、子どもはちゃんと小さい頃から親とは別の人格を持っているのです。食べ物やおもちゃの好みがあるでしょう。女の子は幼稚園に着ていく服を自分で選んだりします。したがって、もともとある自分を言葉ではっきりと主張し始めたにすぎません。無理やりYou Tubeをやめさせたりしても、またやり始めるでしょう。
怖いのは、子供を頭ごなしに叱ったり、逆に言いなりになってしまうと正常な自我を形成することができなくなってしまうことです。あきらめから無気力になるのです。親御さんと性格がまったく同じというお子さんはいないはずです。ちゃんとお子さんの主張を聞いた上で、よく話し合い、スマホの使い方を決めてはいかがでしょうか。
できるなら、お子さん自身にルールを作らせることがベストです。また、子どもさんの個性を認め、正しく使えるように指導することも重要ではないでしょうか。
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自我にめざめるとき
なぜ、甘やかしたり、強制的なやり方が子供にとってよくないか。それでは子供たちを無気力にし、判断力をなくしてしまうからです。つまり子供に本来ある自主性を奪い、自立するチャンスを逃します。こうして自立心が正常に育たなかったとき、まわりの子供たちにも言いたいことも言えなくなり、不登校になるケースもあります。
まず最初の段階では、小学生になると子供たちはいっしょに学び、スポーツを楽しみます。こうして、自分に合った、または好きなことを理解するようになります。個性もさまざまですが、親たちはまだ子供たちは、自分の支配下にあると思っています。もちろん、彼らは親の庇護のもとで生活しています。が、中学1年にもなると、よりはっきりと自己主張を始めます。自分の言葉で。
すると親御さんはあわてるのです。急に反抗的になった、と感じるのでしょう。しかしながら、そうではなくて、彼らの人格を今まで見ようとしていなかったのではないでしょうか。まだ間に合います。子供さんの意見をよく聞き、そしてこちらの考えを話して正しく導いて下さい。YouTubeやTikTokは親御さんたちの愛情や子供を心配する気持ちは、持ち合わせていないのですから。
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新聞やテレビを見ない世代
メディアと言えば、私たちのころは、親から見る番組を制限されたりしたテレビの時代でした。ですが、スマホの普及で固定電話も新聞の読者も激減しました。テレビすら必要ないといいます。情報はすべてスマホから得るから。もはやスマホは、なくてはならない存在になったのです。
では、子どもたちにスマホを正しく、かつ有効に使ってもらうために、どうすればいいかと言うと、やはり大人の指導が必要です。別人格とはいえ、やはり一般常識は親たちが上です。スマホに関しても、危険性が潜んでいることは言うまでもなく、最近では高校生が犯罪に加担してしまった例もあります。SNSでの誹謗中傷の意味もよくわかっていない子どもたちに、スマホを使うときの注意点をきちんと教えるべきです。トラブルに巻き込まれてからでは遅いのです。
そこは、大人として、しっかり厳しく教えて下さい。スマホを使うために、子どもたちは素直に聞くはずです。そのとき、お子さんを一人の人格として、認めて対等に話していただきたいのです。一人前として扱われた場合、案外、子どもは真剣に聞こうとし、親御さんの言うことを理解しようとするものです。
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数学や英語は必要か
スマホを使いこなすと、学習に悪影響を及ぼすどころか、検索機能などを勉強に役立てることができます。英語は発音してくれるし、数学も動画でていねいに解説してくれるからです。しかし、情報は正しく選択しなければなりません。よくある生徒の質問に、「どうして勉強しなければならないのか」があります。私は、働くため、仕事をするため、と答えるようにしています。
数学を知らなければ、普段の生活、買物さえ苦労します。英語は、今や町の小さな商店さえHPを開設し、海外と取引する時代です。ビジネスの世界ではすべて英語が公用語です。海外との取引は輸出入、つまり貿易になるのです。もっと言えは、IT関連も英語です。コンピュータはアメリカからきたのだから、当然です。スマホを使いこなし、AIまで活用するには、英語は必須です。こうしたことを見据えて、まず、このような一般常識とも言える学生時代の勉強をしっかりやっておとなになってもらいたいと思うのです。
あふれる情報を整理し、正確かどうか見極める必要があります。そのためには判断力が大切になります。中学高校の基礎学力をしっかり身につけ、正しく判断する力を養ってもらいたいのです。
お子さんを一人の人格として認め、意見を聞いて親御さんの気持ちを伝えて下さい。そうすることによって、しだいにお子さん自身で考え、自立心が育っていきます。何より大切なのは、その自立心、つまり自分自身で判断できるようになることだからです。子供たちには、未来、いや近い将来の素晴らしい希望があるのですから。