
中学1年生は不登校増
文部科学省の統計によると、近年、小中学生の不登校が増加しています。さらに、学年別では、中学1年で増加する傾向がみられます。
子ども達にとって、小学生から中学生になることは、大人が考えている以上に大きな出来事なのかも知れません。中学生活に難なく適応できる子ども達もいれば、様々な要因で、気がついたら休みがちになってしまう子ども達もいるでしょう。
学校に通わない期間が長引くと、学力低下と内申点が不安になるかと思います。
久しぶりに登校してみたら、授業についていけず、居場所の無さを感じてしまっては、せっかくの復帰の機会を活かせないどころか、状況の悪化にも繋がってしまいます。
そのため、復帰を目指す中においては、お子さんに合った学習方法を見つけることがとても大切になります。
本記事では、どうすれば、学力の不安を無くし、学校復帰への道を開いていけるかをご紹介します。
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結論
- お子さんが安心できる環境作りは、お子さんの気持ちに寄り添い、孤立させずに味方でいることから始まります。
- 学力の不安を無くすことが、学校復帰への道筋をつくります。
- 勉強の遅れを取り戻すためには、まずは、お子さんの心の準備が必要です。
- 心の準備から学習面のサポートに至るまで、自宅での個別指導が可能な家庭教師を活用するのが、学力の不安を無くす最も効果的な方法です。
- 家庭教師を選ぶポイントは、「不登校のお子さんの指導実績」「お子さんのペースでの完全な個別指導」「お子さんの気持ちに寄り添える講師」です。
お子さんが安心できる環境とは
お子さんが学校に行けなくなる理由は、人それぞれです。友人関係のトラブル、授業についていけない焦りやストレス、学校という環境そのものが合わないなど、さまざまな要因が絡み合うことが多いかと思います。
不登校というと、ネガティブなイメージがありますが、私はそうは思いません。むしろ、繊細な感性の持ち主であるからこその素直な反応だと思います。
大切なのは、原因はどうあれ、まずは、お子さんが安心できる環境を整えることだと考えます。
保護者の方は「中学生だった時の自分」を思い出してみてください。
私は中学生の頃は体も小さく内向的な方でしたので、活発なクラスメイトが中心的な位置を占める中学生活に、息苦しさを感じていました。あの頃の自分を思い出すと、学校に行きづらい気持ちが蘇ってきます。
学生生活で苦労された方は、理由はどうあれ、お子さんの学校に行きづらい気持ちが、何となくわかるのではないでしょうか。
長い人生で見た時に、不登校は、心に向き合う大切な時間で、たまたま中学生の時にそれがきたというだけかもしれません。
学生生活を難なく過ごされた保護者の方でも、社会人になって、あるいは、子育ての中で、前に進めずに一人悩まれることもあるかと思います。お子さんは、まさに一人で悩み、対峙している状態です。
ちなみに、私の経験で言うと、中学で目立ったお子さん(いわゆる陽キャ)は、ピークアウトが早く訪れ、繊細なお子さんは、大器晩成が多い印象です。
人生は長いですので、焦らずに、お子さんの気持ちに寄り添い、味方でいることが、安心できる環境を生み出す根幹にあると考えます。
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勉強の遅れを取り戻す
不登校が続くと、学習面での遅れがどうしても気になりますが、焦らずに、お子さんのペースに合わせた学習方法で、少しずつ取り戻しましょう。
学力を回復していくことで、お子さんが自信を取り戻し、復帰のきっかけにもなります。
1. 心の準備
いきなり机に向かって勉強を始めるのはハードルが高いかも知れません。
お子さんの状況に応じて、例えば、「おいしいものを食べる」などの本能的にポジティブになれることから始める場合もあれば、「スマホを触らない時間を2時間つくる」「机に座って好きなことをしてみる」など、形から入って少しずつ慣らしていく場合もあります。
また、学習から遠ざかり、いきなり頭を使おうとすると、激しい拒否感を感じることを経験された方もいるかと思います。たっぷり遊んだ後に、宿題があったことに気づいた言いようの無い憂鬱さにも似ています。
このような時にどうしているかを身近な生徒さん等に聞いてみたところ、「勉強前に好きなことで頭を使う」や「勉強後にやりたいことを想像し気持ちを上げる」という方法がありました。
前者の例は、好きなアニメのファンブックやライトノベルを読むなどです。
ちなみに、私の中高生時代の勉強スイッチは「場所を変える」でした。家の中で、その時々で居心地の良い場所を見つけ、そこでノートを広げました。
共通しているのは「自分のルーティーン」を見つけることかと思います。
もちろん、無理はせずに、日々の見守りの中で、お子さんの表情に変化が見られたり、能動的な発言や行動が見られたタイミングで、あるいは、雑談の中などで、お子さんなりの一歩を踏み出すきっかけを一緒に見つけてみるとよいかも知れません。
家庭教師をご検討の場合は、こうした心の準備からケア可能な派遣会社を選ぶことをお薦めします。
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2. 家庭教師の活用
ご家庭での個別指導が前提になりますので、お子さんの状況を把握した上で、お子さんの学力に応じた学習計画や学習方法をきめ細かく行うことができる家庭教師が、最もお役に立てるのではないかと考えます。
人と接することに抵抗がある場合でも、オンラインでの講義やデジタル教材の活用などで、お子さんが落ち着いて学ぶことができます。
適切な家庭教師であれば、学習面のサポートだけではなく、お子さんが不安や悩みを安心して話せるような信頼関係の構築が可能ですので、上述した「心の準備」の段階から、お子さんのメンタルケアをサポートすることも可能です。
さらには、お子さんの状況を逐一報告し共有することで、孤立しがちな保護者の方の心理的負担が軽減します。
フリースクールでは、出席日数は認められますが、内申点は低く評定される傾向がありますので、高校受験を見据えて内申点と学力を確保するためには、まずは、学習面のサポートに強い家庭教師の方面に相談し、学力の不安を軽減させながら、復帰を目指してみるとよいのではと思います。
3. 適切な家庭教師の選び方
不登校のお子さんの家庭教師を探す際には、以下のポイントに注目しましょう。
(1) 家庭教師の派遣会社が、不登校のお子さんの指導に十分な実績があるか。
お子さんや保護者の悩みに耳を傾け、無理な指導や周囲と比較するような指導は行わず、同じ気持ちで一緒に目標に向かっていけることが大切です。また、カウンセラーとの提携などで勉強以外のケアにも対応しているところを選びましょう。
(2) お子さんのペースでの完全な個別指導が可能か。
講師が常にお子さんの様子に気を配ることができる完全なマンツーマン授業で、かつ、お子さんの理解度や状況に応じて、お子さんのペースで勉強できることが必須です。また、指導のカリキュラムの作成を行う前に、お子さんや保護者と十分なコミュニケーションをとっているかどうかもポイントになります。
さらに、不登校で不安定になりがちなお子さんのメンタルや体調に応じて、カリキュラムや指導方法を柔軟に対応できるかどうかも重要です。
(3) 講師は、学習面だけでなく、お子さんの気持ちに寄り添えるか。
講師が勉強を教える以外に、お子さんの気持ちに寄り添い、不安やお悩みを打ち明けられるような信頼関係の構築を大切にしていたり、講師の訪問が少しずつ楽しみになるような雰囲気作りに務めていると、お子さんの気持ちの安定にも繋がり、落ち着いて勉強ができるようになるかと思います。
また、理解がなかなか進まないところや質問したくてもできない気配を察してあげる心配りも大切になります。
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まとめ
中学1年生のお子さんが不登校になり、学校復帰を目指すためには、心のケアと学力の回復の両方に焦点を当てたサポートが必要です。
お子さんの気持ちに寄り添い、安心できる環境を整えることが最初の一歩になります。
学力を回復し勉強の不安を無くすことは、お子さんが自信を取り戻し、復帰のきっかけにもなります。学習に取り組む前の心の準備から、家庭教師の活用がおすすめです。
家庭教師を選ぶ際は、不登校のお子さんへの指導実績や完全な個別指導が可能であるか、さらにお子さんの気持ちに寄り添える講師かどうかが大きなポイントになります。
お子さんのペースで、保護者と家庭教師の三者が同じ目標に一緒に歩むことで、学校生活への復帰の道が開けていきます。