高校生になると、一気に、英文法の幅が増えて、それに伴い難解となっていき、部活などやる事も増える中、一つ一つの文法をこれまでのように、着実に身に付けていくことが簡単ではなくなっていきますよね。
沢山のテキストを見る事は無駄ではありませんが、入試対策もしなくてはならない時間の限られた高校生にとって、”効率’‘は重要です。
数ある文法の中でややこしいと思われがちな、《分詞構文》を今回そんな人たちのために、「効率的に簡潔に100%わかる解説」をします!
近年は、入試などでは、長文読解の方により重点が置かれるようになっているため、特にこの分詞構文の理解度は、得点を大きく左右することになります。この事からも、最重要に位置する文法項目になりますので、下記のように英語に伸び悩んでいる高校生が、飛躍的にその悩みを解消できるように分詞構文の全容を徹底解説しましょう!
こんな高校生は必見!
・分詞はなんとか理解しているが、分詞構文になると、全くわからなくなる
・分詞構文の訳し方がわからない
・長文の中の分詞構文の見分けがつかない
・長文読解でつまづいていて、足を引っ張ってしまう 等
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1. 100%わかる!分詞構文の作り方
『分詞構文とは?』
二つの文を、現在分詞で簡単に結びつけ、一つの文で表す方法。
そのため、分詞構文の方に、接続詞に値するものがあるとも考えることができ、主節にかけて訳す際に、その隠された接続詞の意味を推測しながら、意味を把握する。
①基本の作り方
《V’ing, S V.》
分詞構文は、基本的には『現在分詞(doing)』からはじまり、主節を修飾します。(副詞用法のひとつ)
※訳し方は、主節との関連により複数に渡り、詳しくは次の項目で解説します。
※接続詞を用いずに、doing〜で、短く表せるため、意味は曖昧になる反面、文が短くなる、便利な用法です。
※意味に合った接続詞で、従属節として言い換えられます。
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②注意点
(1)beingの省略
分詞構文の動詞がbe動詞の場合、主節の主語と同じ場合、主語を省略するのでBeingから始まることになるが、この場合は、Beingも省略します。
(例文)
Because this book is written in easy English, it is easy to read.
→Written in easy English, this book is easy to read.
「この本は、簡単な英語で書かれているので、読みやすい。」
※接続詞Becauseと主語this bookは省略し(主節の主語をit→this bookにする)、動詞is→Beingにし、さらに省略する。
(2)完了分詞構文
主節の時制より、従属節の時制が古い場合は、《完了分詞構文(having done)》にする。
(例文)
Since I have seen her before, I recognize her immediately.
→Having seen her before, 〜.
「彼女に以前会った事があるので、彼女のことはすぐわかる。」
※主節の時制はrecognize(現在)で、従属節の時制はhave seen(現在完了)なので、このズレを表すために、分詞構文の方を完了形にします。(*分詞は過去形は作れないので、時制が主節より古い場合、〈having done〉にします)
(3)独立分詞構文
主節と従属節の主語が異なる場合は、主語を残して分詞構文にする。この主語がある分詞構文のこと。
(例文)
Because there is little time left, we should not take any break.
→There being little time left, 〜.
「ほとんど時間が残っていないので、休憩は取るべきではない。」
※主節の主語(we)と、従属節の主語(there)(*厳密にはthereは主語ではないですが、形式的にこの場合主語とみなします。)
が異なるため、Thereを残してから、動詞(is)を分詞(doing)にします。
③否定形
文頭に否定語(not,never)を置く
(例文)
Because I didn’t know anything, I remained silent.
→Not knowing anything, 〜.
「何も知らなかったので、私は黙っていた。」
※従属節内が否定文の場合、否定語をそのまま文頭に残す。つまり、《Not /Never doing, 〜.》という形となる。
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2. 100%スッキリ!分詞構文の訳し方
文脈に合わせて下記の5つの選択肢の中から最適だと思われる意味を当てはめます。
※それぞれに合う接続詞で言い換える事ができます。
①時「〜の時」(=when, after, while)
②理由「〜なので」(=because, as, since)
③付帯状況「〜しながら」「そして〜」(=and, so)
④条件「もし〜なら」(=if)
⑤譲歩「〜だけれども」(=although, though)
(例文)
① Seeing the photos, I remember my old good days.
「その写真を見ると、自分の古き良き時代を思い出す。」
(=When I see the photos,)
②Written in French, this novel is not easy for me to read.
「フランス語で書かれているので、この小説はわたしには簡単には読めない。」
( =Because it is written in French,)
③The storm hit those areas, causing great damage.
「嵐がそこの地帯を襲い、大きな被害をもたらした。」
( = and caused great damage.)
Mother always cooks, listening to music.
「母は、いつも、音楽を聴きながら料理をします。」
④ Buying this dictionary, you will be able to study easier.
「この辞書を買えば、勉強しやすくなるでしょう。」
( =If you buy this dictionary,)
⑤Having lived in this city for many years, I seldom see my neighbor.
「わたしはこの街に長い間住んでいるが、隣人に滅多に会わない。」
( =Although I have lived in this city for many years,)
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3. 100%出る!分詞構文の慣用表現
分詞構文にも慣用表現がいくつかあります。
このまま覚えて使えるので、上記と合わせて一緒に必須の頻出分詞構文慣用表現を覚えましょう。
- Generally speaking,「一般的に言うと」
- Strictly speaking,「厳密に言うと」
- Frankly speaking,「率直に言うと」
- Considering〜/Taking〜into consideration,
「〜を考慮すると」
- All things considered,「あらゆる事を考慮すると」
- Speaking/Talking of〜,「〜と言えば」
- Judging from〜,「〜から判断すると」
- Compared with〜,「〜と比べると」
- Given that〜,「もし〜なら」
- 〜 permitting,「〜が許せば」
- Regarding〜,「〜に関して」
(例文)
Generally speaking, women are more talkative than men.
「一般的に言うと、女性は男性よりもおしゃべりだ。」
Frankly speaking, this book is boring.
「率直に言うと、この本はつまらない。」
Judging from the look of the sky, it is likely to rain.
「空模様から判断すると、雨になりそうだ。」
Regarding the matter, he doesn’t know anything.
「その件に関して、彼は何も知らない。」
Considering your age, you should not go there alone.
「あなたの年齢を考慮すると、1人でどこに行くべきではない。」
Weather permitting, I will go on a picnic.
「天気が許せば、わたしはピクニックに行こうと思う。」
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まとめ
私自身、この文法の仕組みを知った時、「なんて便利なものなんだろう!」と感動した事を覚えています。
わざわざ接続詞を用いて二つの文を作らなくても、分詞構文で同じ事を簡単に言い表せるからです。
また、和訳については、解説に示した5つの選択肢さえインプットしておけば無敵です!接続詞への書き換えの問題にも対応できるので、ここまでわかると、もう、英文法の中でも難易度の高い分詞構文も、怖くありません。
さらに、テストの中で高得点を占める長文読解問題においても、グッと読めるようになるので、今回身につけた知識でリーディングにも挑戦して実践を積んでいきましょう!