『仮定法』とは?!
英文法の中で、皆さんが感じている通り、仮定法は特別かつレベルが高いものになります。名前からしてもイメージしにくい理由もありますね。それは、まず、日本語を使うにあたり、仮定法のような特別な表現方法は明確にはなく、何かを”仮定”する時には、曖昧な使い方で私たちは自然とこなしている、という文化の違いの側面もあります。
また、実際に、イメージをしにくいだけでなく、仮定法を使いこなすには、さらに、これまで身に付けてきた文法の知識と応用力が、必要となります。
なので、「仮定法が苦手」と言う人は、安心してください。
みんな、苦労しているのです!
そこで、今回は、「とにかく分かりやすく簡単に教えてほしい!」というご要望にお答えして、特に下記の様な人達の為に厳選した内容で、”10分仮定法教科書”を作成しました!
1 仮定法過去とは?
『現実と異なる事を仮定する表現方法』
《仮定過去の形》
〈If S V(過去形), S’ 助動詞の過去形+V'(原形).〉
「もしSVなら、S’V’だろうに。」
(例文)
If I had much money, I could buy a new car. [仮定の話]
「もしたくさんお金があれば、新車を買えるのになあ。」
→[現実は?]「たくさんお金がないので、新車を買えない。」
[注意点]
仮定法の場合、If節の動詞が、be動詞の時には、Sに関わらず、”were”を用いる傾向があります。問題に出てきた時やライティングの時には、wereで統一させてください。
(例文)
If I were (△was) you, I would not tell it to her.
「もし私があなたなら、その事を彼女に言わないだろう。」
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2 仮定法過去完了とは?
『過去の出来事と異なる事を仮定する表現方法』
《仮定法過去完了の形》
〈If S V(過去完了形), S’ 助動詞の過去形+V'(完了形の原形)〉
「もしSVだったなら、S’V’だっただろうに。」
(例文)
If I had had much money, I could have bought a new car.[仮定の話]
「もし(その時に)たくさんお金があったら、新車を買えたのになあ。」
→[現実は?]「その時、たくさんお金がなかったので、新車を買えなかった。」
※基本的に、仮定法(事実ではない事をいう時)は、”過去形”を用いる!
※仮定法に出会ったら、実際はどうなのか(どうだったのか)?についても、想像してみましょう。そうする事で、対比により、理解がしやすくなります!
〈ポイント1〉
算数の数式のように、まずこの2つの形を、頭に叩き込みます。
仮定法は、イメージなどの部分は練習する事で確実に育ちますので、まずすべき事は、『形を覚え込む事』になります。
特に、Ifの節と主節の、二つの節で構成されていますので、混同してしまわないためにも、それぞれの動詞の部分の形を頭に入れましょう!
〈ポイント2〉
仮定法という概念(イメージ)を、今回、自分の中で新しい知識として、導入しましょう。
わかりやすくいうと、ドラえもんのひみつ道具「もしもボックス」の様なものです。
「もしこうなら〜!」と言った、現実と異なる願望や発想は私たちの中に普通に存在しますよね。
そういう事を英語で表したい時に、この文法を使う事になるので、もともと発想としてすでに知っているこの感覚・気持ちを、改めて、認識すれば良いのです!
また、夢を想像する様なものなので、気分的にも、楽しくなれると思いますよ。
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3 仮定法の必須慣用表現
仮定法で用いる慣用表現つまり決まり文句がいくつかありますので、絶対覚えておくべき6つの慣用表現が、こちらになります!
慣用表現は、決まった形なので、むしろ簡単なので、身に付けてくださいね。
① I wish + 仮定法「〜できたらいいなあ」(非現実の願望)
I wish I could fly.「飛ぶ事ができたらなあ。」
② If only + 仮定法!「〜しさえすればなあ!」(非現実の願望)
If only you were here!「あなたがここにいてさえくれればなあ!」
③ as if/though + 仮定法「まるで〜かのように」
He looks as if he had seen a ghost.「彼はまるで幽霊にでもあったかの様に見える。」
④ If it were not for〜, / If it had not been for〜,
「もし〜がなければ/もし〜がなかったら」
=But for〜,
=Without〜,
If it were not for / But for / Without her help, we couldn’t complete this task. (仮定法過去の場合)
「もし彼女の助けがなければ、私達はこの課題を完成させられないだろう。」
If it had not been for / But for / Without her help, we couldn’t have completed this task. (仮定法過去完了の場合)
「もし彼女の助けがなかったら、私達はこの課題を完成させられなかっただろう。」
⑤ It is (about/high) time + 過去形「もう(そろそろ/とっくに)〜する時間・頃だ」
It’s time you went to bed.「もう寝る時間だよ。」
⑥ otherwise「さもなければ」
※副詞として、これだけで下記の様に用います。(前文の内容を受けて、”if節の代わり”として用います)
The boy left home early;otherwise, he would have missed the bus.
「その少年は早く家を出た。さもなければ、バスを逃していただろう。」
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まとめ
仮定法2種類について、これまでボヤッとしていた部分も、クリアになりましたか?
ポイントでもお話した様に、「仮定法のイメージ」と「仮定法の形をインプット」の2方向から、知識を固めていきます。
何より、英文法最終ゲートである仮定法についての知識を身につけると、英語の奥深い部分まで、理解していく道が開ける為、”英語力全体の実力アップグレード”が実現可能になります。
なので、目の前のテストはもちろんの事、模擬試験、そして最終目標である、入試の際に、何も困る事なくスムーズに志望校合格に向けての勉強を進める事ができるでしょう。