遠回りに見えて実は近道!「語源」がカギの英単語勉強法

「英単語の勉強は大変だしつまらない」

普段英語を勉強していて、このように感じた経験はありませんか?ノートに単語をひたすら書いたり、赤シートや単語帳を使ったりして覚えようとはするけれど、長いつづりの単語はスペルが分からなくなる。一度覚えたはずの単語もすぐに忘れてしまう…。

かつては私も、英単語はそのまま暗記するしかないと思い込んで、単語帳をひたすら周回するだけの機械的な勉強をしていました。しかし、ある方法を取り入れるようになってから、英単語の勉強が「面白く」、「効率的」で、「記憶に残る」ようになったのです。

英単語の記憶力抜群の中学生

その方法とは、英単語の「語源」を手掛かりに勉強するというものです。
「語源」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、日本語で言う漢字の部首に似た概念で、複雑ではありません。英語が比較的得意な中学2~3年生や、中学で習った英単語の蓄積がある高校生であれば、すぐに実践できる勉強法です。

この記事では、「語源」を手掛かりにした英単語の勉強法について、実践方法やメリットなどをご紹介します。

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英単語のパーツは3種類

「語源」を手掛かりにした勉強法は、簡単に言えば「英単語をパーツに分けて意味をイメージする」方法です。パーツの種類には、大きく分けて「接頭語」「語根」「接尾語」の3つがあり、これらの総称が「語源」と呼ばれています。

「接頭語」「語根」「接尾語」の3つ

漢字の部首と同じように、語源にはそれぞれ意味があります。具体例を見ていきましょう。例えば、telephone(電話)という単語。まず、この単語には”phone”という語根が含まれています。phoneは「音」という意味を持ちます。そこに、「離れた、遠くにある」状態を意味する”tele”という接頭語がくっついています。離れた場所で音のやり取りをする状態から、「電話」という意味になったのです。

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語源を使った勉強のメリットは5つ

では、語源を手掛かりにした勉強には、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?基本的な3つのメリットと、英語が得意な人向けのプラスアルファのメリット2つを説明します。

 メリット① 英単語の由来や関係性を理解できる

関連付けて英単語を覚える学生

語源(特に語根)を調べる中で、ある単語が成立した由来や、同じ語根から派生する複数の単語を知ることができます。

実際に私が「面白い!」と感じた例として、develop(発展する)とenvelope(封筒)があります。2つの単語は、一見全く関係がなさそうですが、実は同じ語根’velop’(包む)を共有しています。developは、接頭語’de’(反対に、離れて)が付いているので、「包むの反対」→「包みを開く、外に展開する」→「発展する、開発する」という意味に、envelopeは接頭語’en’(~の中へ)を付けているので、「中に包むもの」→「封筒」という意味になったのです。2つの単語のつながりに意外性を感じ、「英単語って面白い!」と思うようになりました。

このように、語源を調べていくと、英単語に隠されたストーリーや関係性を知ることができるのです。

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 メリット② 覚えやすく忘れにくい

英語の単語を単なる文字列としてではなく、意味のまとまりとして捉える中学生

機械的な暗記方法では、単語のつづりが「意味のない文字列」のように思えてしまいます。そのため、つづりが長くなればなるほど、覚える負担が増えていきます。

一方で、単語を「接頭語」「語根」「接尾語」といったパーツに分解することで、短いつづりの組み合わせとして覚えることができ、記憶の負担が減ります。これは、携帯の電話番号を11桁そのまま覚えるよりも、ハイフンで3桁-4桁-4桁に区切った方が覚えやすいのと同じ原理です。

また、単語を単なる文字列としてではなく、意味のまとまりとして捉えることは、記憶の保持にも役立ちます。

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メリット③ 似たような単語を整理できる

似た英単語を整理する中学生

project, inject, reject…といったような、響きが似た単語は意味を混同してしまいがちです。しかし、構造としてはすべて「異なる接頭語+同じ語根」という組み合わせなので、接頭語の違いに注目すれば意味を整理して覚えることができます。

先ほど示した3つの単語を例に説明します。いずれも、語根ject(投げる)が含まれています。projectは、「前へ」というニュアンスの接頭語proが付いているので、「前に投げる」→「計画」、injectは「中に」というニュアンスの接頭語inが付いているので、「中に投げる」→「注入する」、rejectは「戻る、返ってくる」というニュアンスの接頭語reが付いているので、「投げ返す」→「拒否する」という意味合いになります。

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 +αメリット④ 知らない単語の意味を予測できる

分からない英単語w見た男子中学生

語源の知識がある程度溜まってくると、知らない単語に出会ったときでも、言葉のニュアンスを想像することができます。

私は、大学受験の際、国公立大学に加えて難関私立大学も併願していました。一般的に、私立大学の英語の入試問題は、国公立大学の問題に比べて難しい単語が多いと言われています。実際に、私立大学入試の過去問を解いていて、長文読解問題で高度な単語を頻繫に目にするなと感じていました。そんな時に、知らない言葉の意味を推測する上で、語源の知識が役に立ったと感じます。

難関大学の受験や、英検などの資格試験合格を目指している方は、ぜひ単語の語源を意識してみてください。

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 +αメリット⑤ 類義語の使い分けに役立つ

英語の類義語

語彙が増えると、意味が似ている単語を学習する場面も増えます。そして、学習した単語を英作文などで使い分けるとなると、類義語を区別して理解している必要があります。単語の語源を理解していると、細かいニュアンスの違いを感じ取ることができるため、類義語の区別に役立ちます。

例えば、thinkとconsiderという2つの単語は、どちらも日本語で「考える」と訳されることが多い類義語です。これらにどのような意味の違いがあるのか、語源からイメージすることができます。thinkの由来は古くからある英語で、日常的・一般的な「考える」行動を指します。一方、considerはcon(一緒に)とsideral(星、星座)から成っていて、「一緒に星を見る」→「注意深く観察する」→「深く考える、考慮する」という意味に転じたと言われています。

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語源を使った勉強は「ほどほどに頑張る」のがポイント

英語の音読をする中学1年生

ここまで、語源が英語学習の手がかりとして役に立つことをお伝えしてきました。
注意点としては、語源を英単語学習のメインにすることはあまりおすすめしません。というのも、すべての単語の語源を調べるのは、時間がかかりすぎてしまいます。また、語源からかなり意味が変化している単語もあるため、かえって混乱してしまう可能性があります。

語源の長所を発揮できる、以下のような場合に絞って勉強に取り入れることをおすすめします。

  • 長い単語をいつまでも覚えることができない
  • 似たような単語の意味を整理して覚えたい
  • 機械的な単語の暗記に飽きてしまった

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まとめ

本記事では、英単語を勉強する際、語源を手がかりにすることが効果的であることを示してきました。本記事を参考に語源を調べてみて、英単語の面白さを感じてもらえたら嬉しいです。