子どもを勉強嫌いにしてしまう原因にも!保護者の実はNGな行動って?

「勉強しなさい!」と何度言っても子どもが机に向かわない…。そんな経験をしたことがある保護者の方も多いのではないでしょうか。実は、私たち保護者の何気ない言動が、お子さまの学習意欲を低下させてしまう原因になっていることがあります。

今回は、お子さまを勉強嫌いにしてしまう保護者のNGな行動と、お子さまの学習意欲を高めるサポート方法についてお話しします。

保護者の実はNGな行動

お子さまの成長を願う気持ちから、つい口にしてしまう言葉や取ってしまう行動。しかし、それらが逆効果になることもあります。以下に、避けるべき代表的な行動をいくつか挙げてみましょう。

1.勉強を強制する

「勉強しなさい!」という言葉、よく言ってしまったりしていませんか?しかし、実はこの一言がお子さまの反発心を招く可能性があります。強制されることで、勉強そのものに対する嫌悪感が生まれてしまうかもしれません。しかし、勉強を強制されることで、その自然な学びの意欲が損なわれてしまう可能性があります。
強制ではなく、お子さまの興味や関心を引き出す方法が効果的です。
例えば

  • 「今日は何を勉強したい?」とお子さまに選択権を与える
  • 「この問題、面白そうだね。一緒に考えてみよう」と共に学ぶ姿勢を見せる
  • お子さまの得意科目や好きな分野から始め、徐々に他の科目にも広げていく

このように、お子さまの自主性を尊重しながら学習を促すことで、勉強に対する前向きな態度を育むことができます。

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2.周囲と比較する

きょうだいや親戚の子ども、学校のクラスメイトなどと比較して、「○○ちゃんはこんなにできるのに、どうしてあなたは…」といった言葉をかけてしまうことはありませんか?こうした比較は、お子さまの自尊心を傷つけ、学習意欲を低下させる原因となります。

比較は一見、お子さまを奮起させる方法に思えるかもしれません。しかし、実際には以下のような悪影響を及ぼす可能性がありますので注意しましょう。

  1. 自己肯定感の低下:常に他人と比較されることで、自分の価値を低く見積もってしまう
  2. 競争心の過剰な刺激:健全な競争心ではなく、嫉妬や劣等感を生み出す
  3. 個性の抑圧:自分らしさを発揮することよりも、他人に追いつくことに焦点が当たってしまう

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3.出来ないことを責める

「どうしてこんなのがわからないの!」「なぜできないの!」って、つい言っってしまうことがないでしょうか?私も経験があります。しかし、このような言葉は、実はお子さまの心に深い傷を残してしまう可能性があります。
子どもが問題を解けないのは、学びの過程では当たり前のこと。でも、できないことを責められると、お子さまの心に様々な影響が生じる可能性があります。
例えば、以下のようなことが考えられます。

  1. 学習意欲の低下:「失敗すればまた叱られる」という思いから、新しいことに挑戦することを躊躇してしまうかもしれません。
  2. 自己肯定感の喪失:「どうせ自分にはできない」という否定的な思い込みが強くなってしまう可能性があります。
  3. 精神的ストレスの蓄積:学習することが叱責されることと結びつき、勉強に対して否定的なイメージを形成してしまうかもしれません。

じゃあ、どうすればいいの?って思いますよね。実は、ちょっとした言葉の変え方がポイントです。
例えば

  • 「どこがわからないのか、一緒に考えてみようか」って声をかけてみる。
  • 「まだできていないだけだよ。練習すればきっとできるようになるから」って励ましてあげる。
  • 「ここまでできたね!」「粘り強く頑張ったね」って、小さな進歩や努力を具体的に褒めてあげる。

こんな風に、ポジティブな言葉かけを心がけると、お子さまの学ぶ意欲がぐんと高まります。
子育ても日々試行錯誤ですよね。完璧な親なんていません。でも、こういった小さな心がけを積み重ねていくことで、お子さまの成長を後押しできます。

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4.努力している過程をスルー

保護者にとっては「できて当たり前」と思える問題も、お子さまにとってはハードルが高いことも多いものです。お子さまの努力を認めず、結果だけを求めてしまうと、お子さまは「どうせやっても認めてもらえない」と感じてしまうかもしれません。結果にのみ焦点を当ててしまうことで、お子さまに以下の傾向が表れやすくなるという問題があります。

結果のみに着目するデメリット

  1. 学習プロセスの軽視:問題を解くまでの思考過程や試行錯誤の重要性が伝わらない
  2. 短期的な成果主義:じっくり取り組む姿勢よりも、即座の結果を求めるようになる
  3. 挫折しやすい性格の形成:少しの失敗で諦めてしまう傾向が強くなる

以下のような方法で、お子さまの努力のプロセスに注目しましょう!

努力のプロセスを大事にする

  • 「昨日よりも長く集中して取り組めたね」など、具体的な努力を言葉にして伝える
  • 問題の解き方や考え方をノートに書くようにうながし、その過程を一緒に振り返る
  • 「間違えることも学びのチャンスになる」という前向きな考え方を親子で共有する

成績アップは一朝一夕には現れません。日々の小さな努力や進歩を認め、長期的な視点でお子さまの成長を見守ることが大切です。そうすることで、お子さまは自信を持って学習に取り組み、真の学ぶ力を身につけていくことができるでしょう。

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お子さんの勉強へのやる気を引き出すオススメサポート法

お子さまの宿題やテスト勉強をサポートすることは、多くの保護者にとって日々の課題です。ここでは、効果的かつ実践的なサポート方法をご紹介します。これらの方法を日常生活に取り入れることで、お子さんの学習意欲を高め、確かな学習習慣を身につけるお手伝いができるでしょう。

1. 教科書や問題集の内容と日常生活を結びつける

子どもたちが学校で学んでいることと日常生活とのつながりを示すことは、学習の意味を実感させる上でとても大切です。身近な例を挙げながら、具体的な方法をいくつか紹介しましょう。

算数や数学の勉強なら、買い物の時に活用できます。例えば、スーパーで「このお菓子、2割引きだって。いくらになるかな?」とお子さまに聞いてみるのはどうでしょう。パーセントの計算が実際の場面で役立つことを体験できますね。

国語の力を伸ばすなら、新聞や広告を使うのがおすすめです。休日の朝、新聞を読みながら「この記事、どんなふうに書かれているかな?」「この広告、どんな言葉で人の目を引こうとしているかな?」などと話し合えば、文章の組み立て方や表現の工夫について理解が深まります。

理科の学びは、日々の暮らしの中にたくさんあります。夕方のニュースを見ながら「明日は天気が崩れるみたいだけど、どうしてだろう?」と天気予報について話すのも面白いですね。家でミニトマトを育てたり、ベランダで花を咲かせたりするのも、植物の成長を観察する良い機会になります。

社会の勉強は、休みの日に地元の歴史スポットを訪ねるのが一石二鳥です。近所の古い神社や建物を見学しながら、「この建物、いつ頃できたのかな?どんな人たちが使っていたんだろう?」と想像を膨らませれば、歴史への興味がぐっと湧いてくるはずです。

こうした日常的な体験を通じて、子どもたちは学校での学びが実生活に役立つことを実感し、もっと勉強したいという気持ちが芽生えていくでしょう。

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2. 段階的な学習計画を立てる

お子さまの自信を育てるには、大きな目標を小さな達成可能な目標に分けることがとても大切です。具体的で現実的な目標を立てることで、お子さまは「できた!」という喜びを感じやすくなります。例えば、その日の学習内容をはっきりと決めてみましょう。「今日は新しい漢字を5つ覚えよう」「算数の問題を10問解こう」といった具体的な目標なら、お子さまも取り組みやすいはずです。

また、週や月単位の学習計画をお子さまと一緒に考えるのもおすすめです。カレンダーや壁に貼れる大きな表を用意して、毎日の頑張りをシールやマーカーで塗っていくと、お子さまの意欲も高まります。「今週は漢字テストがあるから、毎日10分ずつ復習しよう」「来月の理科のテストに向けて、土曜日ごとに1章ずつおさらいしていこう」というように、長い目で見た目標を立てることで、計画的に勉強する習慣が身につきます。

特に大切なのが、テスト前の学習計画です。例えば、2週間後に5教科のテストがあるなら、「1日目は国語の1章、2日目は算数の1単元」というふうに、科目ごとの復習範囲を細かく分けて、日々の学習量を決めていきます。この時、お子さまと相談しながら計画を立てると、自分で考えて行動する力も育ちます。

このように、小さな目標を積み重ねていくことで、お子さまは少しずつ自信をつけ、勉強への意欲も高まっていくでしょう。大人が寄り添いながら、お子さまの「できた!」を増やしていくことが、学習習慣づくりの秘訣です。

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3. 学習の過程を具体的に褒める

お子さまの学習意欲を高めるには、結果だけでなく、頑張るプロセスを認めることがとても大切です。具体的な例を挙げながら、お子さまの努力を褒める方法をいくつか紹介しましょう。

例えば、お子さまが難しい問題に取り組んでいるのを見かけたら、こんな風に声をかけてみてはどうでしょうか。「その問題、難しそうだね。でも、あきらめずに頑張っているのはすごいよ」と。たとえ答えが合っていなくても、考え抜く過程そのものに価値があると伝えられます。

また、前回のテスト結果を見ながら次の学習計画を立てている姿を見たら、「前のテストを振り返って、次の勉強の計画を立てているんだね。そういう姿勢、とても大切だよ」と褒めてあげましょう。こうすることで、自分で改善点を見つけて行動する大切さを教えられます。

さらに、「今日、分からないところを先生に聞いてきたんだ」とお子さまが報告してきたら、「わからないことを質問できるなんて、すばらしいね。そうやって疑問を解決していくのが本当の勉強なんだよ」と伝えるのもいいでしょう。これで、積極的に学ぼうとする姿勢がいかに大切かを理解してもらえます。

このように、日々の小さな努力や前向きな姿勢を見逃さず、具体的に褒めていくことが大切です。「結果はまだだけど、頑張っているね」「少しずつ上手くなってきているよ」といった言葉かけを重ねることで、お子さまは「頑張ること」自体に価値を見出すようになります。そして、その積み重ねが、やがて大きな成長につながっていくのです。

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4. 学習環境を整える

お子様が集中して学習できる環境を整えることは、学習効率を上げるのに非常に重要です。まずは、固定の学習スペースを設けましょう。リビングの一角や子ども部屋の机など、毎日同じ場所で勉強することで、そこに座るだけで学習モードに入りやすくなります。

学習に必要な文具や参考書は、常に手の届くところに配置しておきます。辞書、定規、コンパスなど、よく使うものをすぐに取り出せる状態にしておくことで、学習の中断を最小限に抑えられます。

また、スマートフォンなど、気が散る要素は可能な限り取り除きましょう。学習中はスマートフォンを別の部屋に置くなど、誘惑を減らす工夫が効果的です。
さらに、適切な明るさ、室温、換気にも注意を払いましょう。目に優しい明るさ、集中しやすい室温(一般的には20~22度程度)、新鮮な空気を保つことで、長時間の学習でも快適に取り組めます。

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5. 家族全体で学ぶ雰囲気を作る

お子さまの学習意欲を高めるには、家族で一緒に学ぶ時間を作るのがとても効果的です。具体的な方法をいくつか紹介しましょう。

例えば、平日の夜7時から8時を「家族みんなの勉強時間」と決めてみるのはどうでしょうか。お子さまは宿題や復習、大人は読書や資格の勉強など、それぞれが自分の課題に取り組みます。家族みんなで学ぶ姿を見せ合うことで、家全体に「学びの空気」が生まれます。

お子さまの宿題を見るときは、親も一緒に問題を解いてみるのもいいですね。「この問題、お母さん(お父さん)にも難しいな。一緒に考えてみよう」と言いながら取り組めば、学ぶことに前向きな姿勢を示せます。

テスト前の時期には、お子さまがリビングで勉強する傍らで、親も本を読むなど、一緒に学ぶ姿勢を見せましょう。「君が頑張っている姿を見て、お母さん(お父さん)も頑張ろうって思えるよ」と伝えれば、お互いに刺激し合える関係が築けます。

こういった方法を日々の生活に取り入れることで、お子さまの宿題やテスト勉強への意欲が高まり、効果的な学習習慣が身につくでしょう。大切なのは、お子さまの性格や学び方に合わせて、柔軟に対応していくことです。

根気強くサポートを続けていけば、きっとお子さまの学習意欲が高まり、成績も上がっていくはずです。家族で一緒に学ぶ時間を大切にすることで、お子さまの成長を支える豊かな環境が作れるのです。

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大事なことは

お子さまの学習意欲を高めるうえで、最も大切なのは、お子さまとの信頼関係を築くことです。以下の点に気をつけながら、子どもと向き合ってみましょう。

  1. 子どもの話をよく聞く…お子さまの悩みや不安、うれしかったことなど、日々の出来事をしっかりと聞くことで、子どもは「自分の気持ちを分かってくれている」と感じることができます。
  2. 子どもの個性を尊重する…一人ひとり得意なこと、苦手なことは異なります。お子さまの個性を理解し、その子なりのペースを大切にしましょう。
  3. 失敗を恐れない雰囲気づくり…「失敗しても大丈夫」という雰囲気をつくることで、お子さまは安心して新しいことにチャレンジできます。失敗を通じて学ぶことの大切さを伝えましょう。
  4. 親子で目標を共有する…長期的な目標だけでなく、「今週は毎日10分読書をする」など、短期的な目標を親子で設定し、一緒に達成を目指すのも良いでしょう。
  5. 子どもの成長を一緒に喜ぶ…テストの点数が上がった、新しい漢字を覚えたなど、お子さまの成長を一緒に喜び合うことでさらなる成長への意欲を持つことができます。

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まとめ

お子様の学習意欲を高めるためには、保護者の適切なサポートが欠かせません。しかし、それは決して難しいことではありません。お子様の気持ちに寄り添い、その子なりのペースを尊重しながら、小さな成功や努力を認めていくことが大切です。

また、勉強は決して点数を取るためだけのものではありません。学ぶことの楽しさ、新しいことを知る喜びをお子さまと一緒に感じることができれば、それこそが最高の学習体験となるでしょう。

私たち保護者も、お子さまと共に成長し、学び続ける姿勢を持つことが大切です。そうすることで、お子様たちは自然と学ぶことの素晴らしさを感じ取り、生涯学び続ける力を身につけていくことができるのです。

お子様の可能性を信じ、温かく見守り続けることが、最も大切なサポートとなることを忘れないでください。