驚くほど分かる!中学3年社会公民の「内閣」について重要ポイント総まとめ!

中学校3年生の生徒の皆さん、こんにちは!
中学2年生までの社会は世界史や日本史などの歴史や地理が中心でしたが、中学校3年生になって新たに「公民」が加わったことに戸惑っている人も多いのではないでしょうか。政治や経済など、比較的テレビや新聞で目にすることはあるけれど、なんだか難しそうに感じてしまいますよね!

今回はその中でも苦手な人の多い「内閣」について、重要ポイントを勉強のプロがしっかり解説していきます。この記事を読めば、内閣についての理解がぐっと深まること間違いなしです!それでは、一緒に勉強していきましょう。

内閣とは?

内閣のイメージ

まず、「内閣」について理解するためには、「行政」という概念を知る必要があります。行政とは、国民の生活を支えるために、法律に基づいて国家の仕事を行うことを指します。
日本国憲法では、行政権は内閣に属すると定められています(第65条)。つまり、内閣は国の行政を担当する最高機関なのです。

行政の具体的な例としては以下のようなものがあります。

  • 警察や消防による治安維持・災害対策
  • 道路や公共施設の建設・管理
  • 教育・福祉サービスの提供
  • 外交活動の実施

このように、私たちの日常生活に密接に関わる様々な仕事を行うのが行政であり、その中心となるのが内閣なのです。

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内閣の役割

それでは、内閣の具体的な役割について見ていきましょう。内閣の主な役割は以下の3つです。

法律の執行

法律の執行を行う国務大臣のイメージ

内閣の最も重要な仕事の一つが、国会で決められた法律を実際に実行することです。ここで注意したいのはあくまで内閣は大まかな方針を示し、必要な体制を整えることが仕事だということです。

例えば、「自転車乗車時のヘルメット着用義務化」の法律が制定された場合、内閣は警察庁を通じて都道府県警察に取り締まり方針を伝え、文部科学省を通じて学校に指導方針を通知します。しかし、実際に街頭での指導を行うのは警察であり、学校での指導は教職員が担当します。

内閣はこれらの活動が全国で統一的に行われるように、大まかな方針を示し、体制を整えるのが主な役割です。このように、内閣は法律の執行において重要な役割を果たしますが、現場の実施は各機関の担当者が行います。

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予算の作成

みなさんのおうちにはお小遣い帳や家計簿がありますか?国にも1年間の収入と支出を計画した「予算」というものがあります。この予算を作るのも内閣の大切な仕事です。

例えば、学校を何校建てるか、道路をどのくらい修理するか、そのためにはどのくらいのお金(税金)が必要かなどを細かく計算して、予算案として国会に提出します。この予算案が国会で承認されると、それに基づいて国のお金の使い方が決まります。

条約の締結

条約を締結している大臣同士の握手のイメージ

「条約」という言葉を聞いたことはあるでしょう。日本史でも世界史でも条約は出てきますよね。条約とは、国と国との間の約束のことです。例えば、平和に関する約束や、物を売り買いする時のルールなどがあります。

このように他の国と条約を結ぶのも内閣の仕事です。ただし、条約を最終的に承認する権限は国会にあります。これは、国民の代表である国会議員にも確認してもらうためです。

以上のように内閣は私たちの生活に関わる様々な重要な仕事をしているのです。

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内閣の構成ルール

次に、内閣がどのようなメンバーで作られているのか、そのルールについて詳しく見ていきましょう。

内閣のトップ

内閣総理大臣のイメージ

内閣のトップは「内閣総理大臣」といいます。みなさんはニュースで「首相」という言葉をよく聞くと思いますが、これは内閣総理大臣のことです。

内閣総理大臣は、国会議員の中から選ばれます。具体的には、まず国民が選挙で国会議員を選びます。そして、その国会議員たちが話し合って、自分たちの中から内閣総理大臣を選びます。最後に、天皇陛下が任命して正式に内閣総理大臣になります。

内閣総理大臣は、内閣の中で一番偉い人で、内閣全体の責任者です。また、日本の代表として外国の偉い人と会ったりもします。

国務大臣

会見する国務大臣のイメージ

内閣総理大臣以外の内閣のメンバーは「国務大臣」と呼ばれます。みなさんは「〇〇大臣」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これが国務大臣のことです。例えば環境大臣や文部科学大臣などですね。
国務大臣は、内閣総理大臣が選んで任命します。ただし、以下のような決まりがあります。

  • 国務大臣の半分より多く(過半数)は、国会議員から選ばなければいけません。
  • 国務大臣の数は、内閣総理大臣を除いて14人までと法律で決められています(特別な場合は17人まで可能)。

各国務大臣は、外務省、財務省、文部科学省など、それぞれの役所の長官として、その分野の仕事を担当します。例えば、学校の教育に関することは文部科学大臣が担当します。

閣議とは

内閣の重要な物事を決める会議を「閣議」といいます。閣議は通常、週に2回(火曜日と金曜日)行われます。
閣議では、内閣総理大臣と全ての国務大臣が集まって話し合います。ここでの決定は全員が賛成することが原則で、これが内閣の考えとして非常に重要になります。
例えば、新しい法律を作ろうとするときや、予算案を国会に出すときも、まず閣議で決めなければいけません。

内閣と国会・裁判所との関係

内閣は日本の政治を動かす中心ですが、一人で全ての仕事をするわけではありません。国会や裁判所と協力しながら仕事をします。この関係を理解することが、日本の政治の仕組みを知る上でとても大切です。

内閣と国会の関係

国会議事堂

内閣と国会の関係には、「協力」と「チェック」の二つの面があります。

  1. 内閣は国会に対して責任を負います。国会の多数が「この内閣ではダメだ」と思ったら、「内閣不信任決議」という内閣に辞めてもらう決議を出すことができます。
  2. 一方で、内閣総理大臣には「衆議院の解散」という国会議員を選び直す選挙をする権限があります。
  3. 内閣は新しい法律案や予算案を国会に出す権限を持っていますが、それらを最終的に決めるのは国会です。
  4. 内閣は国会の召集を決定します。つまり、国会を開くタイミングを決めるのです。
  5. 国会は内閣総理大臣を指名する権限を持ちます。これは、新しい内閣のリーダーを選ぶということです。

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内閣と裁判所の関係

裁判所のイメージ

内閣と裁判所の関係は、主に以下の2点で関連しています。

裁判官の任命:最高裁判所長官(裁判所で一番偉い人)は内閣が選び、天皇陛下が任命します。他の裁判官は最高裁判所が選んだ人を内閣が任命します。
違憲立法審査:難しい言葉ですが、これは裁判所が「この法律は憲法に反していないか」をチェックする権限のことです(違憲立法審査権)。内閣が実行しようとしている法律が憲法に反していないかを、裁判所がチェックできるのです。

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超重要!三権分立とは?

ここで非常に大切な考え方、「三権分立」について説明します。

「三権分立」というのは、国の権力を3つに分けて、それぞれを別々の機関が担当するという仕組みです。どうしてこんな仕組みがあるのでしょうか?
それは、一つの機関や人に全ての権力が集中してしまうと、その人の考えだけで国が動いてしまい、独裁政治になってしまう危険があるからです。そこで、権力を分散させて、お互いにチェックし合う仕組みを作ったのです。

日本の三権分立は以下のようになっています:

  • 立法権(法律を作る権限):国会
  • 行政権(法律を実行する権限):内閣
  • 司法権(法律を解釈し、適用する権限):裁判所

これらがお互いにチェックし合うことで、バランスの取れた政治が行われるのです。
例えば、内閣が「こんな法律を作りたい」と思っても、国会が「それはダメだ」と言えば法律にはなりません。また、国会が作った法律でも、裁判所が「この法律は憲法に反している」と判断すれば、その法律は無効になります。
このように、それぞれの機関が互いに影響を与え合いながら、一つの機関が強くなりすぎないようにバランスを取っているのです。

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練習問題にチャレンジ!

公民の内閣の単元を勉強する中学生

ここまでの内容を理解できましたか?それでは、学んだことを確認するために、いくつかの練習問題に挑戦してみましょう。以下の問題は、高校入試でもよく出題される内容です。

問題1.日本国憲法において、(  )権は内閣に属すると定められています。
正解:行政
解説:内閣の主な仕事は国の行政を行うことです。だから憲法では、行政権は内閣に属すると決められているのです。

問題2.内閣の長である(  )は、国会議員の中から国会の議決によって選ばれます。
正解:内閣総理大臣
解説:内閣のトップである内閣総理大臣は、国民が選んだ国会議員の中から、さらに国会議員たちが話し合って選びます。

問題3.内閣の重要事項を決定する会議を(  )といいます。
正解:閣議
解説:閣議は内閣総理大臣と全ての国務大臣が集まって、重要な事項を決める会議です。週に2回行われるのが普通です。

問題4.国の予算案を作成し、国会に提出するのは(  )の役割です。
正解:内閣
解説:国のお金の使い方を計画する予算案を作るのは内閣の大切な仕事の一つです。作った予算案は国会に提出され、そこで承認されると正式な予算になります。

問題5.立法、行政、司法の三権をそれぞれ独立させ、相互にチェックし合う仕組みを(  )といいます。
正解:三権分立
解説:三権分立は、国の権力を立法(法律を作る)、行政(法律を実行する)、司法(法律を解釈・適用する)の3つに分け、それぞれを独立させることで、一つの機関が強くなりすぎないようにする仕組みです。

いかがでしたか?これらの問題が解けたら、内閣についての理解がかなり深まっているはずです!

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まとめ

公民を勉強する中学生の手元

みなさん、お疲れさまでした!ここまでしっかり読んできた皆さんは、内閣について大切なことをたくさん学んだと思います。

内閣は私たちの生活に深く関わる大切な仕事をしています。法律を実行したり、国の予算を作ったり、外国と約束を交わしたりと、その役割は本当に幅広いものです。そして、内閣総理大臣を中心に、様々な分野の専門家である国務大臣たちが力を合わせて日本の行政を担っているのです。
また、内閣は一人で全てを決めるわけではありません。国会や裁判所とも協力し、時にはお互いにチェックし合いながら、バランスの取れた政治を行っています。これが「三権分立」という大切な仕組みです。

公民の勉強は、高校入試対策のみならず、みなさんが将来、選挙権を持って政治に参加するときの基礎知識になります。今はちょっと難しく感じるかもしれませんが、少しずつ理解を深めていけば、きっと社会の仕組みがよく分かるようになりますよ。

これからもニュースや新聞で「内閣」という言葉を見かけたら、今日学んだことを思い出してみてください。そうすれば、ニュースの内容がもっとよく理解できるはずです。
皆さんの未来のために、これからも公民の勉強、頑張っていきましょう!