「勉強した内容がなかなか頭に残らない」「何度も復習しているのに、試験前になると不安だ」。こんな経験、皆さんにもありませんか?私自身、学生時代にこの悩みを抱えていました。そんな方におすすめなのが、確実に知識を定着させるための「オーバーラーニング」勉強法です。
この記事では、私の経験も交えながら、オーバーラーニング勉強法の基本から実践的な使い方までを詳しく解説します。
オーバーラーニング勉強法とは?その効果とメリットを解説
オーバーラーニング(過剰学習)とは、ある学習内容を完全に習得した後も、さらに学習を継続する方法です。通常の学習では、一度内容を理解し、問題を解けるようになったら次の段階に進みますが、オーバーラーニング勉強法ではそこからさらに練習を重ねます。
オーバーラーニング勉強法の主な効果とメリットは以下の通り。
- 長期記憶への定着:繰り返し学習することで、知識が短期記憶から長期記憶へと移行しやすくなります。
- 対応力の強化:学んだ内容を無意識的に使えるようになり、より複雑な問題にも対応できるようになります。
- ストレス耐性の向上:試験や実際の場面でのプレッシャーにも耐えられる強固な知識基盤を築けます。
- 応用力の向上:基礎的な内容を完全に理解することで、より高度な概念の学習がスムーズになります。
- 自信が持てる:十分な練習を積むことで、自身の能力に対する自信が深まります。
オーバーラーニングは、単なる繰り返し学習ではありません!目的を持って集中的に取り組むことで、より効果的な学習成果を得ることができるのです。
関連記事:【勉強法】効果的な復習の方法とは?学習内容を忘れないために!
オーバーラーニングが必要な理由とは?「忘れる」メカニズムを知ろう
人間の脳は、効率的に機能するために不要な情報を常に整理しています。これは「忘却」というプロセスで、新しい情報を取り入れるために重要な機能です。しかし、この機能が勉強にとっては障害となります。
私が大学受験の際に苦労したのが、この「忘れる」ということでした。一度覚えた公式や単語が、時間が経つとすっかり抜けてしまうのです。この経験から、なぜ忘れるのかという忘却のメカニズムについて深く学ぶきっかけになりました。
忘却曲線(エビングハウスの忘却曲線)によると、学習した内容は時間の経過とともに急速に忘れられていきます。
この忘却のメカニズムに対抗するためにオーバーラーニングが必要となります。オーバーラーニング勉強法を行うことで、記憶が定着しやすくなり、すぐに思い出すことができます。
オーバーラーニングは、この忘却プロセスに対抗し、学んだ内容を確実に定着させるための効果的な方法なのです。
関連記事:なぜ記憶は薄れる?記憶のメカニズムを理解して記憶力を高める方法
オーバーラーニングの具体的な実践方法
オーバーラーニング勉強法を効果的に実践するためには、以下のステップで段階的に進めていきます。
1.学習目標の設定
まずは具体的な目標を決めましょう!
- 明確な目標を立てる(例:「微分の基本公式を10問連続で正解できるようになる」)
- 達成可能で測定可能な目標にする
2.基礎の理解と習得
基礎をしっかり固めることから始めます。
- 教科書や参考書で概念を理解する
- 基本的な問題を解けるようになる
関連記事:苦手を克服!各教科の基礎学力を強化し、確実に定着させる6つのステップ
3.100%の正解率を目指す
できるだけ完璧を目指して頑張りましょう!
- 基本問題を繰り返し解き、100%正解できるようになる
- この段階で満足せず、次のステップに進む
4.さらなる反復練習
ここからが本当の学習の始まりです。
- 100%正解できた後も、同じレベルの問題を継続して解く
- 目安として、100%正解の状態から30~50%増しの練習を行う
多様な問題への挑戦
視野を広げ、応用力を身につけていきましょう。
- 基本問題だけでなく、応用問題にも取り組む
- 異なる形式や難易度の問題を解くことで、理解を深めていく
教えることを通じた学習
人に教えることで、自分の理解も深まります。
- 学んだ内容を他人に説明してみる
- 説明することで、自身の理解度を確認し、さらに知識を定着させる
関連記事:人に教える勉強法にはこんな効果が!人に教えることで身につく力
定期的な復習
忘れないためには、計画的な復習が大切です。
- 学習した内容を定期的に振り返る
- 忘却曲線を考慮しながら、効果的な間隔で復習を行う
関連記事:間違えた問題をそのままにしない!復習の徹底が成績アップの近道
進捗の記録と評価
自分の成長を目に見える形にしてモチベーションを高めていきましょう。
- 学習の進み具合を記録する
- 定期的に自分で進み具合を確認、評価し、必要に応じて学習方法を調整する
これらのステップを意識しながらオーバーラーニングを実践することで、より効果的な学習成果を得ることができます。私自身、この方法で数学の成績を大きく伸ばすことができました。
オーバーラーニングを取り入れるタイミングは?復習のベストスケジュール
オーバーラーニングを効果的に行うためには、適切なタイミングと頻度で復習することが大切です。以下その復習タイミングの好例を紹介します。
初回学習直後
学習した当日に、たとえ短時間でも復習を行いましょう。これにより、学んだ内容が短期記憶から長期記憶へと移行しやすくなります。わずかな時間でも、その日の学習を振り返ることが重要です。
1日後
翌日には、前日学んだ内容を思い出しながら、簡単な問題に取り組んでみましょう。もし忘れている部分があれば、その箇所を中心に再度学習します。この段階での復習は、記憶の定着に大きな効果があります。
1週間後
1週間が経過したら、より詳細な復習を行い、応用問題にも挑戦してみましょう。この時点で理解が不十分だと感じた箇所があれば、そこを重点的に学習します。基本から応用へと理解を深める重要な段階です。
2週間後
2週間後には、基本問題と応用問題の両方に取り組みます。学んだ内容を他人に説明できるレベルまで理解を深めることを目指しましょう。自分の言葉で説明できるということは、本当の理解につながっています。
1ヶ月後
1ヶ月が経過したら、学んだ内容の総合的な復習を行います。この段階では、関連する他の概念とのつながりも意識しながら学習を進めましょう。より広い文脈で知識を位置づけることで、理解がさらに深まります。
以降、定期的に
それ以降は、2~3ヶ月ごとに定期的な復習を行います。もし忘れている部分があれば、躊躇せずに初めから学習し直しましょう。定期的な復習は、長期記憶の維持には不可欠です。
このスケジュールは、エビングハウスの忘却曲線を考慮したものです。ただし、個人の学習スタイルや内容の難易度によって、適切な間隔は変わってくる可能性があります。自分に合ったペースを見つけることが大切です。
また、以下のポイントも意識しましょう。
- 短時間でも頻繁に復習する方が、長時間一気に行うよりも効果的
- 眠る前の復習は、記憶の定着に特に効果がある
- 様々な環境で復習することで、知識の汎用性が高まる
私の場合、通学中の電車の中で短時間の復習を行うことで、効率的に学習を進めることができました。
関連記事:
オーバーラーニング勉強法まとめ
オーバーラーニング勉強法は、ただ繰り返すだけの勉強ではありません。知識を確実に定着させ、実際に使える状態にするための重要なステップです。
みなさんもこの記事で紹介した方法を参考に、以下のポイントを意識しながらオーバーラーニング勉強法を実践してみてください。
- 明確な目標を設定し、計画的に学習を進める
- 基本的な理解から応用力の向上まで、段階的に学習を深める
- 忘却曲線を考慮した効果的な復習スケジュールを立てる
- 他の学習方法と組み合わせて、相乗効果を得る
- 自身の学習プロセスを定期的に振り返り、改善を重ねる
もしかしたらオーバーラーニングは、一見遠回りに思えてしまうかもしれません。実際、私も最初はそう感じました。しかし、この方法を通じて獲得した知識は、長期的に見れば大きな財産となります。試験対策だけでなく、実生活や仕事の場面でも応用することができます。
ぜひ、この方法を取り入れて、自分の勉強をより効果的なものにしてください。私自身、この方法で学習を進めたことで、大学受験を乗り越え、さらには社会人になってからも新しい知識やスキルの習得に役立てています。皆さんも、自分に合った方法を見つけ、効果的な学習を進めていってください。