英語の長文読解が苦手な中学生のみなさん、学校のテストや宿題で長文問題に時間がかかり、うまく解けないと感じたことはありませんか?
英語の文章を読むのが遅く、単語や文法の知識不足で意味が取れないことがその原因です。焦りやストレスを感じるのは当然のことですが、実は少しずつ練習することで、確実に上達できます。
この記事では、長文読解が苦手な理由とその克服方法を詳しく解説!絶対に長文読解はできるようになるので、一緒に頑張っていきましょう!
なぜ長文読解を苦手に感じるのか?
時間がかかって読み切れない
英語の文章に慣れていないと長文を訳のに時間がかかってしまい、文章の全体の意味を把握する前に時間切れになってしまいます。
日本語の文章よりも単語数が多く、理解に時間がかかります。中学生は時間内に読み切ることが難しく、焦りやストレスを感じることがあります。
単語・文法の知識不足
上記の時間切れの大きな原因は単語や文法の理解不足です。
例えば「This is a pen」という文章。これを一語ずつ訳していった人はいますか?一目見て「これはペンです」と訳せたのではないでしょうか?
次に「I have a friend who lives in Tokyo.」これはどうでしょうか?一目で、とはいかずともすんなり訳せた人も多いのではないでしょうか?
では「My neighbor, who is a talented artist, often creates beautiful paintings in her studio.」はどうでしょう?
このように、文章ひとつとっても関係代名詞の構文と英単語を理解していないと訳すのに手間取ってしまいますね。
関連記事:プロ家庭教師が教える英語基礎!英語の文法力を固めて周りと差をつける!
段落の理解不足
長文は複数の段落から成り立っており、各段落の関連性や論理的なつながりを理解することが求められます。長文読解には慣れも必要ですが、まだ慣れていない場合、段落ごとの意味を把握することが難しく、全体の理解に支障をきたしてしまいます。
英語の長文をスラスラ読めるようになる勉強法
単語・熟語や文法・構文を覚える
まずは、基本的な単語や熟語、文法や構文をしっかりと覚えることが重要です。学校の授業や教科書、英語の参考書などを活用して、基礎的な知識を身につけましょう。
具体的な方法としては、単語帳を活用して単語や熟語を暗記することや、教科書・参考書を使って基本的な文法ルールや構文を学ぶことが挙げられます。また、英文法や文法解説のYouTubeチャンネルやオンライン講座を利用することもおすすめです。
音読をする
音読は、リスニング力や発音の向上だけでなく、読解力の向上にも効果的です。文章を音読することで、文章の流れや表現方法を実感することができます。この場合、お手本無しに読もうとしないで下さい。必ず音声付きの教材やオーディオブックを利用して文章を聞きながら読むことを意識しましょう。そうすることで英語の文章の抑揚が身に付きますし、実はこの抑揚こそが意味のまとまりを示しています。この後にスラッシュリーディングについて説明しますが、文章を意味ごとに理解するというのはスラッシュリーディングを行う上で必要な能力になります。
また、音読は事前に精読して意味がつかめた長文に対して行うようにしましょう。その人が音読するスピード=その人が英文を理解するスピードと言われています。
つまり、音読を繰り返し、スピードを上げていくことで、文章の理解の速度も向上していくわけです。
関連記事:英語の勉強に音読は意味がない?英語力を伸ばす「音読」の効果を徹底解説!
スラッシュリーディングする
また、英文を早く読むには「英語を頭から順番に読んで理解していく」という事が必要になります。日本語と英語では文章の基本的な構造が異なります。
例えば日本語は「①主語+②目的語+③動詞」の順で文章が構成されていますが、英語だと「①主語+③動詞+②目的語」という風になります。これをそのまま日本語と同じ順番で読もうとすると、「①③②」となり、②から③に戻らなければならないというロスが生まれます。まだ英語の文章読解に慣れていない場合は仕方ありませんが、これを日本語と同じように頭から①→③→②の順で読めるようになると、英文の理解のスピードがアップします。
そのための具体的な方法がスラッシュリーディングです。
スラッシュリーディングは、英語を読む際に効率を上げるための方法で、文の構造を理解しやすくするためにスラッシュ(斜線)で文を区切って読む手法です。この方法は、特に日本人が英語を読む際に役立つとされています。以下は、スラッシュリーディングの基本的な特徴と利点です。
- 文の構造の視覚化:文を意味のまとまりごとにスラッシュで区切ります。これにより、文の構造を視覚的に把握しやすくなります。
- 理解の向上:文の構成要素(主語、動詞、目的語、修飾語など)が明確になるため、文全体の意味を理解しやすくなります。
- 読解スピードの向上:意味のまとまりごとに読んでいくため、読解スピードが上がります。全体を一度に理解しようとするよりも、部分ごとに理解する方が効率的です。
- 集中力の維持:長い文や複雑な文でも、スラッシュで区切ることで集中力を維持しやすくなります。
具体的なやり方
では、以下の文章をスラッシュリーディングで区切ってみましょう。
原文
When the sun set over the horizon, the sky turned a beautiful shade of orange, and the stars began to twinkle one by one.
スラッシュで区切る
When the sun set / over the horizon, / the sky turned / a beautiful shade of orange, / and the stars began / to twinkle / one by one.
これをスラッシュごとに日本語訳するとこうなります。
When the sun set / over the horizon, / the sky turned / a beautiful shade of orange, / and the stars began / to twinkle / one by one.
太陽が沈んだとき / 地平線の向こうに / 空が変わった / 美しいオレンジ色に / そして星が始まった / 輝き始めた / 一つずつ
どうでしょうか?区切ることで訳しやすくなりましたよね。そしてこのやり方だと文章の先頭から順に読んでいけたとも思います。ちなみに日本語として整理すると
「太陽が地平線の向こうに沈んだとき、空は美しいオレンジ色に変わり、そして星が一つずつ輝き始めました。」という文章になります。
関連記事:中学英語は文法を3つに分ける考え方で苦手意識を無くそう!
文章の流れを表す言葉にチェックを入れる
長文を読む際には、文章の流れを理解するために、関係代名詞や接続詞などの表現に注目しましょう。これらの言葉が文章の構造や論理を示しています。
具体的な方法としては、関係代名詞や接続詞を見つけたら、それがどのような意味や役割を持っているのかを考えることが挙げられます。また、文章の中で意味がつながる部分や主要なポイントを見つけてマーキングすることで、理解しやすくなります。
いくつか例を挙げると関係代名詞の「which」「who」「that」などが該当します。これらの単語は日本語に訳す時には意味を持ちませんが、その後に続く言葉は関係代名詞の直前の語を説明しています。先ほど見た”I have a friend who lives in Tokyo.”でいうと、関係代名詞「who」のあとにあるlives in Tokyo(東京に住んでいる)はwhoの直前の語である「friend」を説明する言葉になります。ここでこの文章構造が関係代名詞だと気づき、whoにチェックを入れておくことで、文章構造が素早く理解できます。
またbutやhoweverなどの接続詞も重要です。どちらも「しかし」「しかしながら」という意味をもつのですが、接続詞に注目することで、but 以降の文章が分からなくても、but 以前とは違う意味の文章が書いてあるのだ、というように文章の内容を推測することが容易になります。
関連記事:多義語とは?言葉の意味から例文や使い方まで勉強のプロが解説
英語は短期間で伸びる科目ではない!
英語の学習、とりわけ長文読解の力を伸ばすには、短期間で成果を上げることは難しいものです。これは一夜漬けのような一時的な勉強ではなく、長期にわたる継続的な努力が求められるからです。長文読解力の向上には、単語や文法の知識を積み上げることはもちろん、文章の構成や論理の流れを理解する能力も必要です。
まず、英単語や熟語を覚えることが基礎となります。これには毎日の地道な暗記作業が欠かせません。単語を覚える際には、その単語が使われる文脈や例文も一緒に覚えることで、記憶に定着しやすくなります。例えば、単語帳やフラッシュカードを利用し、通学時間や休憩時間などの隙間時間を活用して学習を続けることが効果的です。
次に、文法や構文の理解を深めることも重要です。英語の文法は、他の言語と比べても比較的ルールが多いと感じるかもしれませんが、これを体系的に理解し、実際に使えるようにすることが必要です。
いずれにしても、英語の学習には長期的に取り組むことが必要です。長文読解力を向上させるには、コツコツと地道な努力が必要です。焦らずに着実に取り組むことが、確実な成長への道です。短期間で劇的な成果を求めるのではなく、日々の小さな積み重ねが最終的には大きな成果を生むことを忘れないようにしましょう。時間をかけてじっくりと学ぶことで、必ず英語力は向上していきます。
関連記事:中学生になって勉強嫌いになった?勉強嫌いの原因と親御さんもできる対策方法
まとめ
英語の長文読解は、中学生にとって挑戦が多いですが、適切な勉強法を使えば克服できます。基本的な単語や文法の知識をしっかり身につけ、音読やスラッシュリーディングなどの技術を積極的に取り入れましょう。また、焦らずに継続的に取り組むことが重要です。英語の長文読解力を向上させることで、英語全体の理解力が向上し、学業成績や将来のキャリアにも良い影響を与えるでしょう。