数学が苦手な中学生の皆さん!今回は、多くの生徒が難しいと感じる「文字式」について、分かりやすく解説します。
文字式は、数字の代わりに文字を使って計算する方法です。最初は難しく感じるかもしれませんが、コツさえつかめば、とても便利で面白い数学の道具になります。
この記事では、文字式の基本から応用まで、具体例を交えながら丁寧に説明していきます。文字式は数学の基本となる重要な部分なので、しっかりと理解していきましょう。
文字式の基本
文字式とは?
文字式は、数字の代わりに文字を使った式のことです。主に$a、b、x、y$といった文字を使います。これは、「分からない数」や「変わる可能性のある数」を表すのに便利です。
例えば、「ある数に3を足すと7になる」という問題を考えてみましょう。この「ある数」を文字xで表すと、次のような式になります。
$x + 3 = 7$
このように、文字を使うと、様々な問題を簡単に表現できるようになります。
文字式の役割
文字式には、主に以下のような役割があります:
- 未知の数を表す
- 一般的な法則や関係を表現する
- 変化する数量を扱う
これらの役割によって、文字式は数学の様々な分野で活用されています。
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文字式の解き方のポイント
文字と数字をはっきり区別しよう
文字式を扱う時、まず大切なのは文字と数字をしっかり区別することです。
例えば、「$3a$」という式では、$3$は数字(係数)で、$a$は文字です。これは「$a$の$3$倍」という意味になります。
考え方の流れ
- 式を見たら、まず数字と文字を識別する
- 数字は具体的な値、文字は変数や未知数として扱う
- 両者の関係を理解する(ここでは「倍数」の関係)
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同じ文字の項をまとめよう
文字式では、同じ文字を含む項をまとめることができます。これを「項のまとめ」と呼びます。
例えば
$2a + 3a – a$
これは、次のようにまとめられます。
$(2 + 3 – 1)a = 4a$
解き方の流れ
- 同じ文字(ここでは$a$)を持つ項を見つける
- それぞれの項の係数(文字の前の数)に注目する
- 係数同士を計算する:$2 + 3 – 1 = 4$
- 計算結果を元の文字につける
結果:$(2 + 3 – 1)a = 4a$
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分配法則を使おう
括弧がある式を展開する時は、分配法則を使います。例えば:
$2(a + b)$
これは、次のように展開できます。
$2a + 2b$
解き方の流れ
- 括弧の前にある数(ここでは$2$)に注目する
- 括弧内のそれぞれの項に、その数をかける
- 計算結果を足し合わせる
結果:$2a + 2b$
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文字式の考え方のポイント
具体的な数字を当てはめてみよう
文字式が分かりにくい時は、具体的な数字を当てはめてみましょう。
例:$2a + 3$の値を求める($a$に$2$を当てはめる場合)
例えば、$a = 2$とすると、$2a$は$2 × 2 = 4$になります。
考え方の流れ
- 文字(ここでは$a$)に具体的な数値($2$)を代入する
- 式を書き換える:$2(2) + 3$
- 計算する:$4 + 3 = 7$
このように、具体的な数値で考えることで、文字式の意味がより明確になります。
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図を使って考えてみよう
文字式を図で表すと、理解しやすくなることがあります。例えば、長方形の面積を求める時、縦を$a$、横を$b$とすると、面積は$a × b$になります。これを図に描いてみると、とても分かりやすいですね。
考え方の流れ
- 長方形を描く
- 縦の長さを$a$、横の長さを$b$とラベルをつける
- 面積の公式を思い出す(縦×横)
- 文字式で表現する:$a × b$
図を使うことで、抽象的な文字式が具体的なイメージと結びつきます。
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日常生活と結びつけよう
文字式を身近な例で考えると、理解が深まります。少し複雑な状況でも文字式が役立つことを見てみましょう。
例:学校の文化祭でジュースを販売する計画を立てる
考え方の流れ
- 日常的な状況を想像する(例:文化祭でジュースを販売する)
- 変数を設定する
- 1本のジュースの原価:$a$円
- 販売予定本数:$x$本
- 氷代や紙コップ代などの固定費用:$b$円
- 利益を文字式で表現する
- 売上:1本$300$円で売るので、$300x$円
- 仕入れ費用:$ax$円
- 固定費用:$b$円
- 利益 = 売上 – (仕入れ費用 + 固定費用)
$= 300x – (ax + b)$
$= 300x – ax – b$
$= (300 – a)x – b$
このように、文字式を使うことで、ジュースの原価や販売本数が変わっても対応できる柔軟な計画を立てることができます。
例えば、
-
-
- 1本のジュースの原価($a$)が$150$円
- 販売予定本数($x$)が$100$本
- 固定費用($b$)が$200$0円
-
の場合、利益は以下のように計算できます
$(300 – 150) × 100 – 2000 = 150 × 100 – 2000 = 13,000$円
この文字式を使えば、販売本数や原価が変わっても、すぐに利益を計算できます。
日常生活のこのような状況では文字式の実用性と便利さがより明確に理解できるでしょう。
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文字式を扱う上で気を付けること
符号に注意しよう
特にマイナスの符号には気を付けましょう。
例えば:
$3a – 2a = (3 – 2)a = a$
文字の順序を統一しよう
$ab$と$ba$は同じ意味ですが、混乱を避けるためにアルファベット順に並べるといいでしょう。
括弧の使い方を覚えよう
括弧は計算の順序を示します。例えば、$3(a + b)$は、まず$(a + b)$を計算してから$3$をかけるという意味です。
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文字式の実践例
例1:項の整理
例題:$4x + 3y – 2x + 5y$を整理しなさい
解き方の流れ
- 同じ文字を含む項を見つける($x$を含む項と$y$を含む項)
- xの項をまとめる:$4x – 2x = 2x$
- yの項をまとめる:$3y + 5y = 8y$
- まとめた結果を書く
結果:$2x + 8y$
例2:分配法則の適用
例題:$2(a + 3b)$を展開しなさい
解き方の流れ
- 括弧の前の数($2$)に注目する
- 括弧内の各項($a$と$3b$)に$2$をかける
- 計算結果を足し合わせる
結果:$2a + 6b$
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例3: 具体的な数値を当てはめる
例題:$3a + 2b$の値を求めなさい($a = 4, b = 5$の場合)
解き方の流れ
- $a$に$4、b$に$5$を代入する
- 式を書き換える:$3(4) + 2(5)$
- 計算する:$12 + 10 = 22$
結果:$22$
例4: 文章題としての文字式
例題:鉛筆を$a$本買って、$b$人の友達に分けると、1人当たり$c$本もらえて、$d$本余りました。$a$を$b、c、d$を使って表しなさい。
解答: 1人当たり$c$本で、$b$人いるので、合計$b × c$本配ります。 さらに$d$本余るので、全体の本数$a$は$a = b × c + d$
解き方の流れ
問題の状況を整理する(全体の本数、分ける人数、1人当たりの本数、余りの本数)
関係を文字式で表現する
1人当たり$c$本で、$b$人いるので、合計$b × c$本配る
さらに$d$本余る
全体の本数$a$を、他の文字を使って表現する
結果:$a = b × c + d$
このように、文字式を使うと、複雑な関係も簡単に表現できます。
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まとめ
文字式は最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なルールを理解し、練習を重ねることで必ず克服できます。文字と数字の区別をはっきりさせ、項をまとめ、分配法則を使うことを意識しましょう。具体的な数値を当てはめたり、図を使って視覚的に理解することで、文字式の意味が分かりやすくなります。また、日常生活に結び付けることで、より身近に感じることができます。
数学が苦手な人も、あきらめずに一歩一歩進んでいけば、きっと理解できるようになります。自分のペースで、焦らずに取り組むことが大切です。何度も練習して、少しずつ慣れていきましょう!