実は勉強の世界にもあるオリンピック!『勉強オリンピック』って何?

2020年には東京オリンピックが開催されましたね!日本での夏季オリンピックは1964年の東京オリンピック以来56年ぶり2回目。同一都市で複数回オリンピックが開催されるのは史上初でもありました。

オリンピックといえば、世界中のアスリートが集まりスポーツの技術と精神を競い合うイベントですが、実は勉強の分野にも「オリンピック」が存在します。これらは特定の学問領域における能力を競う国際的なコンテストで、世界中の優秀な学生が参加します。今回は、代表的な「数学オリンピック」と「国際情報オリンピック」を中心に、勉強オリンピックについて詳しくご紹介します。

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数学オリンピック

数学の才能がある中学生

数学オリンピックとは?

中にはこの名前を目にした人もいるでしょう。こちらは世界中の高校生を対象に開催される数学を解く能力を競う国際的な競技です。これはスポーツのオリンピックと異なり、4年に一度ではなく毎年開催され、数学の才能と努力を持つ若者たちが集まります。参加者は、厳しい国内予選を経て選ばれた代表者たちです。

映画『サマーウォーズ』

2009年のアニメ映画『サマーウォーズ』の主人公、小磯 健二は数学オリンピックの日本代表に落選したという設定でした。このように本家のオリンピック同様に、国内での代表者を決める大会(日本数学オリンピック)も存在し、選考の大きな基準となっています。『サマーウォーズ』は大ヒットし、多くの人が数学オリンピックの存在を知るきっかけとなりました。

過去と未来の開催地

数学オリンピックは2003年大会が東京で開催されたのを最後に今現在まで日本での開催はありませんでしたが、2023年に20年ぶりに日本の千葉県で開催されました。

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国際情報オリンピック

情報処理のスキルのある女子高生

こちらは1989年から開催されている、プログラミング能力を競う大会です。 日本では2018年に茨城県のつくば市で開催されています。

国際情報オリンピックとは?

国際情報オリンピック(International Olympiad in Informatics, IOI)は、1989年から始まった、プログラミング能力を競う大会です。参加者は、与えられた問題を解決するためのアルゴリズムを考え、それを基にプログラムを作成し、そのプログラムを実行して結果の正しさを競います。

大会の特性

国際情報オリンピックでは単にプログラムが動けば良いというわけではなく、使用するメモリや実行時間にも厳しい制限があります。これにより、効率的で最適なアルゴリズムを考える能力が試されます。

日本人の成功例

2018年には、茨城県つくば市で国際情報オリンピックが開催され、北九州高専の学生の方が金メダルを獲得しています。

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勉強オリンピックの意義

勉強オリンピックの意義

世界共通の言語としての数学とプログラミング

数学やプログラミングは、国境を越えた共通の言語です。数学の問題やプログラミングの課題は、どの国の学生にとっても同じルールで評価されます。このような競技を通じて、学生たちは自分の能力を国際的に証明する機会を得ます。これらの国際大会は、異なる背景を持つ学生たちが集まり、互いに交流する貴重な場でもあります。大会を通じて、参加者たちは他国の文化や教育システムに触れ、新たな視点やアイデアを得ることができます。例えば、数学オリンピックでは、同じ問題に対して異なる解法が提示されることがあり、これにより学生たちは多様なアプローチや考え方を学ぶことができます。

将来の可能性を広げる

数学やプログラミングの能力を高めることは、将来の可能性を広げることにもつながります。これらのスキルは、科学技術の発展に不可欠であり、グローバルな舞台で活躍するための強力な武器となり、さまざまな分野でのキャリアに役立ちます。

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勉強オリンピックの魅力

国際的なイメージ

問題解決の楽しさ

数学やプログラミングの問題を解く過程では、論理的な思考と創造力が求められます。例えば、複雑な数式を解いたり、効率的なアルゴリズムを設計したりすることは、非常に満足感を得られる経験です。問題が解けた瞬間の喜びや達成感は、他の教科ではなかなか味わえないものです。

成功体験の積み重ね

数学やプログラミングの問題を一つ一つ解決していくことで、自己効力感が高まり、学ぶ意欲が増していきます。例えば、プログラミングの課題をクリアし、自分のプログラムが正しく動作した時の達成感は非常に大きいです。こうした成功体験の積み重ねが、さらに難しい課題に挑戦する原動力となります。

コミュニティの存在

また、これらの競技には、共通の興味を持つ仲間と出会い、切磋琢磨することができるコミュニティが存在します。例えば、数学オリンピックの参加者たちは、同じ目標に向かって努力する仲間とともに学び、互いに刺激し合いながら成長していきます。これにより、学ぶ楽しさや充実感がさらに増します。

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最後に

楽しみながら勉強に取り組む女子生徒

数学は苦手意識を持ってしまう中学生も多い科目ですが、数学ができるようになれば、将来の可能性も日本を飛び越えて、世界にまで広がるようになるでしょう。
数学は美しいという言葉があります。それは一つの問が一つの答えを持ち、曖昧さの存在しないこともその理由ではないでしょうか。数学ができるようになりたい!実はそう思っている人も多いと思います。数学の問題が解けた時のスッキリした感覚は、他の教科にはない数学ならではの魅力です。

また、勉強オリンピックにはこの他にも国際物理オリンピック、国際化学オリンピック、国際生物学オリンピック、国際哲学オリンピック、国際天文学オリンピック、国際地理オリンピック、国際言語学オリンピック、国際ジュニア科学オリンピック、国際地学オリンピック、国際天文学・天体物理学オリンピック、国際歴史オリンピック、国際経済学オリンピック、国際心理学オリンピックなど様々な種類のものが開催されています。

これらの国際科学オリンピックは、学生たちが自分の能力を試し、国際的な視野を広げる絶好のチャンスとなります。それぞれの大会には厳しい選考プロセスがあり、代表選手として参加するためには高度な知識とスキルが求められます。

勉強オリンピックのハードルは決して低くありませんが、自分の興味や関心などに合わせて、勉強も一つの「競技」として取り組むとまた新しい勉強のやりがいや面白さが見えてくるかもしれません。楽しむ気持ちを忘れずに、勉強にも取り組んでいきましょう!